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» 2018年01月25日 07時24分 公開

ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術:「ブレない人事」の確立が、社員と会社の成長を推進する (2/2)

[西尾太,ITmedia]
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 企業の人事で大切なことは「一貫性」と「継続性」です。一貫性は各施策に一貫した考え方があること。それがあれば、施策を導入しても、長続きし、施策導入の目的が果たせます。

 それなしに「他社がやっているから」「新しい仕組みだから」といって導入し、うまく運用されなければ、「あれはなんだったの?」と社員に思われ、会社への信頼を失います。あるいは「またなにか始めたけど、どうせうまくいかないよ」と諦められてしまいます。そんなことが続けば、社員は将来を悲観して去っていきます。最もよくないことは「ブレる人事」なのです。

 継続性は、企業ですから当然変化をします。人事ポリシーは不変ではありません。ただ、変化を認識するかどうかは大切です。会社が変化をしたなら施策を変える必要が出てきます。でもなぜ変えるのか、変えたのかを社員が理解しなければ、会社は信頼を得られません。

 私は人事部長時代、経営からいろいろな要望があったとき、人事ポリシーから外れていると思われるものには、「それは例外ですか? 変更ですか?」と確認していました。例外ならば例外として対応すればいいだけです。それを変化と捉えてしまうと取り返しのつかないことになってしまいます。そのためにもいま人事ポリシーを整理する必要があるのです。

「ブレない人事」を確立する人事ポリシー策定フレーム

 本書で示した「人事ポリシー策定フレーム」に沿って、自社の「社員に対する考え方」を整理し、その考え方に基づいた施策を実践していけば、「ブレない人事」が確立します。「ブレない人事」が確立すると、社員の会社に対する信頼感は高まっていきます。その結果、「いい人が採れる」「育つ」「定着する」組織になっていきます。

 本書には、人事ポリシー確立のためのシンプルなメソッドが示されています。「求める人材像」の明確化をはじめ、人事制度構築の考え方など、「人事ポリシー」のつくり方を分かりやすく解説しています。また導入企業の事例、(本の最後の分かりにくい部分に折り込まれていますが)巻末部分に、フレームに基づいた人事ポリシー策定事例を「安定型企業」「ドラスチック型企業」「スタンダード型」企業に分けて示しています。

 人事ポリシーは、自社の方向性を見失わないための「よりどころ」であり、それを意識しながら貫いていく、時には経営陣で確認する、そして施策に反映し、社員に浸透させていくことにより、社員と会社を成長させていくための指針になります。自社の人事施策にブレはないか、本書を通じてぜひ確認してみてください。

著者プロフィール:西尾 太(にしおふとし)

フォー・ノーツ 代表取締役社長。人事の学校/プロデューサークラブ主宰。人事コンサルタント。いすゞ自動車人事労務部門、リクルート人材総合サービス部門を経て、カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)にて人事部長、クリーク・アンド・リバー社にて人事・総務部長を歴任。

2008年フォー・ノーツ設立。以来300社以上の人事制度に携わり、「人事の学校」においては企業人事を体系化したプログラムによって3,000人以上の人事担当者教育を行う。またパーソナリティと職務行動発揮予見を可視化する適性検査B-CAV testを開発し、人事制度と個人のパーソナリティとの関連性を科学的にフィードバックする体制を確立する。

人事制度構築・運用、採用・配置・代謝の人材フロー、労務、教育体系構築・実施など、多企業の人事の現場における人事機能構築と運用についての実践的なコンサルティングは各方面から高い評価を受けている。

2015年に自身4冊目となる「人事の超プロが明かす評価基準(三笠書房)」を出版しベストセラーとなる。 また、2017年12月に新刊「働き方が変わる、会社が変わる、人事ポリシー(方丈社)」を出版。


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