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» 2020年10月15日 07時06分 公開

ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術:迷った時、「答え」は歴史の中にある (2/2)

[中谷彰宏,ITmedia]
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 面白いことに理由が出てきた時点で、それは「面白い」ではありません。利害が生まれます。「学校で教わったのとこれが違うんだ」という面白味を楽しめばいいのです。受験をしてよかったと思うのは、「そうじゃなかったんだ」という発見で自分の意識をひっくり返せることです。ベースがあることがいいのです。

 勉強していくと、「今までずっとこうだと思ったのに違ったの?」という状況になることがあります。知れば知るほど逆転が起こり、どこまで行っても正解にたどり着けないことが面白いのです。一生楽しめるということです。

 歴史を楽しむ時、二流の人は、その歴史を使って何かをしようとします。一流の人は、目先の利益や近視眼的な視点を取っ払って、単純に歴史を面白がります。理由がつくことは、議論がすぐに終わってしまいます。理由の分からないことは、自分で想像したり、参加したりできる楽しみがいつまでも続いていくのです。

歴史を見ることで、今が面白くなる。

 「自分は歴史に詳しくないんです」と言う人がいます。歴史に強い・弱いというのは、知識があるかないかではありません。大切なのは、世界観があるかどうか、大きな流れをつかまえているかどうかです。

 昔話をする人よりは、歴史の話をしてくれるオジサンの方がモテます。ただし、歴史の知識のひけらかしになると、つまらなくなります。人が言ったことに対して、「それは間違っている。実際はこうだよ。何も知らないんだな」と言うのはイヤなオヤジです。こういう人がそばにいると、歴史が嫌いになってしまいます。

 面白いのは世界観です。『スター・ウォーズ』が面白いのは、みんなあの世界観にハマるからです。細かい歴史はどうでもいいのです。『007』にしても、『ミッション:インポッシブル』にしても、『アベンジャーズ』にしても、オタッキーになってキャラの名前や兵器の名前を細かく言い始めるとつまらなくなります。

 歴史を勉強する時に大切なのは、世界観です。知っているか知らないかよりも、それについて自分なりの意見を言えるかどうかが大切です。美術に関しても、一生懸命説明するわりには、「あなたの意見は?」と聞いた時に、「〇〇さんがこう言っている」としか言えない人がいます。そういう人はつまらないのです。

 受験勉強の歴史は自分の意見を言えません。個人的見解で点は取れないからです。それに対して、大人の歴史は意見のみでいいのです。それが受験勉強と大人の勉強との大きな違いです。意見を言うために、必要なデータを勉強しておきます。それが面白いのです。

 歌舞伎のネタは、たくさんあるようですが、大半は忠臣蔵の世界観からのスピンオフです。今はディズニーも、ディズニーキャラの中から、わき役を立ち上がらせています。サンリオピューロランドも、わき役が主役になり始めています。

 大切なのは、一つ一つの年号とか歴史用語を覚えることではありません。歴史の流れが分かることが、今が面白くなってくるヒントになるのです。

著者プロフィール:中谷彰宏 作家

1959年、大阪府生まれ。早稲田大学第一文学部演劇科卒業。博報堂勤務を経て、独立。91年、株式会社中谷彰宏事務所を設立。

【中谷塾】を主宰。セミナー、ワークショップ、オンライン講座を行う。【中谷塾】の講師は、中谷彰宏本人。参加者に直接、語りかけ質問し、気づきを促す、全員参加の体験型講義。

著作は、『迷った時、「答え」は歴史の中にある。』(ユサブル)など、1080冊を超す。


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