第2回:構想力の高い人は、「3つの認識」から自分なりの世界観を構築することができる人マネジメント力を科学する(1/2 ページ)

もともと天才的にというよりも、仕事をやればやるほどどんどん視野が広くなっていく人がいる。そういう人は将来、構想力を持てるだろう。

» 2022年05月18日 07時09分 公開
[井上和幸ITmedia]

 エグゼクティブの皆さまが活躍する際に発揮するマネジメント能力にスポットを当て、「いかなるときに、どのような力が求められるか」について明らかにしていく当連載。第2回は前号に続き、当社(経営者JP)主催のオンライントークライブでプリンシプル・コンサルティング・グループ代表の秋山進さんと当連載筆者の経営者JP代表・井上との対談からお届けします。(2022年1月27日(木)開催「経営者力診断スペシャルトークライブ:経営者・役員になれる人vsなれない人」)

マネジメント力を規定する5つの力

 できる経営幹部人材、できない経営幹部人材の違いは何だろうか? 経営幹部人材に求められる共通項とは?

 当社では、こうした問いについて長らく考え続け、さまざまな場面で議論し、研究し、なによりも経営者やマネジメントの皆さまの現場での執行やキャリア検討、転職の場面に伴走・関与しながら仮説を検証し続けてきました。その結果、明らかになったものを整理したのが「経営者力」方程式です。大本の公式はシンプルなものなので、皆さまにもぜひ覚えてほしいと思います。

経営者力=(「描く力(構想力)」+「決める力(決断力)」+「やり切る力(遂行力)」)×「まとめる力(リーダーシップ力)」×「学び続ける力(学習力・習慣化力)」

 これら5つの力を発揮し、日々の現場に当たれる人が、経営者力の高い人です。5つの力の発揮具合を可視化・セルフチェックできるものとして開発されたのが「経営者力診断」です。

 その中で今回は「構想力」にフォーカスしてみます。

構想力を持つ人の3つの認識力は鍛えることができる

 秋山さんによれば、「構想力」を持つ人とは「空間認識」「時間認識」「自己認識」があり、それがゆえに自分なりの「世界観を構築」することができる人です。

 構想力を持つ人が持つ7つの思考様式・行動様式については前号で紹介しているので参照してください。今自分はどの領域で仕事をやっていて、どういうアウトプットが最適かという「空間認識」が分かっている。そして、どんな時間スパンで考えるかという「時間認識」があり、その上で「自己認識」がちゃんとできる。それゆえに自分なりの「世界観を構築」することができる人は、おおよそ項目に挙げられているような7つの思考・行動をしている人なのです。

 「視界が広い」というと、もともと視座が高くてかなり広角的にものごとを見られるような人をイメージするかもしれませんが、そんな風に天才的に最初から視野の広い人間などいませんよね。トークライブでもそういう話になりました。

 もともと天才的にというよりも、仕事をやればやるほどどんどん視野が広くなっていく人が現実に存在している。そういう人はぜったい将来、構想力を持てるという話でまとまりました。

 対談では、製造業の仕事のイメージで、これまで使ったことのない新しい材料を購入する役割を与えられた際の事例話をしたのですが、こうした際に、自分で考え、情報収集し、聞きまわり、出て来る検討要素についてつぶしていくような動きをする人と、商社などにお題を丸投げして出て来る提案を待つ人とに分かれる。手間暇かかっても前者のような動きをできる人の構想力は磨かれていきます。

コロナ禍やウクライナ戦争で浮き彫りになる、構想力のある人とそうでない人のパフォーマンス

 「結果的に同じ材料が採用されるとしても、自らわざわざ調べた社員と商社に評価表を出させただけで済ませた社員では、3年後にはまったく別人になります。10年後には埋めることのできない差がついていることと思います。前者なら、当該国の治安が急変しても、すかさず代替品が調達できます。材料を調べていくプロセスで、多方面との人的ネットワークや対応の知恵が生まれているからです。

 一方、後者なら取引先、商社に連絡して、『どうにかしてくれ』と頼むことになるでしょうが、競合も含めて同じ行動をとるため、こちらが先方にとってよほどの得意先でない限り、代替品は回ってこないでしょう」(秋山進さん著『社長が“将来”役員にしたい人、「25の条件」』より)

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