リーダーは時間という経営資源の価値を最大化せよ!ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術(2/2 ページ)

» 2018年12月13日 07時08分 公開
[吉田幸弘ITmedia]
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 他にも毎回1人当たり約1時間をかけて作成している週次の報告書を廃止したとすれば一挙に7時間の削減です。一気に時間を削減、あるいは他のことに使える時間を生み出すことができるのです。

聖域をぶち壊す

 実は無意識に聖域にしている仕事があるのではないでしょうか。

 「項目がたくさんありすぎて、時間がかかる割には誰も見ていない報告書」

 「人事部が仕事をしたフリをするための、フィードバックの全くない研修報告書」

 「誰も読まないアリバイづくりの出張報告書」

 「結論が出ない会議」

 「部下を追い込むことだけが目的の、実は上司がストレスを解消するための会議」

 こんなこともありました。「1回2時間あまりの会議の議事録を、10時間かけて作成」。全員が話したことを議事録に入れるため、録音して音声を聞いてから清書しているそうです。理由は一度、自分が言った意見が入っていないじゃないかとキレた人がいて、そうならないようにしているとのことでした。

 他にもよく出てくるケースとして、社内資料なのに「自己満足なカラーバリエーション豊富なこだわりの提案書」を作成するといった不必要なこだわりです。こだわるのは本人の自由ですが、自己満足のためにやるのなら、就業時間外にしてもらいましょう。

 反論を浴びせられるかもしれませんが、私は社内の皆で行くランチも廃止すべきだと思っています。もちろん、部下から相談ごとを受けた時、ランチに行くのは構わないでしょう。しかし、それも1対1が原則です。他のメンバーがいたら相談なんてできません。話題も社内のゴシップばかりで、無駄な時間であることが少なくありません。

 本来はメンバーの休み時間なのですから、拘束しないことです。メンバーはその1時間を使って学びに充てたい、あるいは休息の時間に充てたいのかもしれません。昨今では、昼寝の効果が証明され、午後からのパフォーマンスアップのために昼休みの昼寝を推進している会社もあるほどです。

 昨今、コンプライアンス厳守のために、書類を作成するのに多くの時間が取られています。これらは現場レベルにおいては、やめたり、調整したりしにくいものがほとんどです。よってリーダーが率先して、極力、重要性の低い仕事は減らしていくべきなのです。

 減らすかどうかの基準は、それをなくして困る人がいないか、いたとしても他のものに代用できないか、検討するようにしましょう。

読みどころをピックアップ

 本書ではミスややり直しが起きたら、メンバーで内容を共有し、時間をロスしないようにする方法を推奨しています。

 何よりタイムマネジメントに影響するのは、「集中力の欠如」です。部下にイライラするうちに感情が高ぶります。結果、リーダーは冷静でなくなり、その時間の仕事の質は低下してしまいます。一方で、イライラをぶつけられた部下は「不安」という漠然とした心が頭の中を占め、仕事の質が低下します。

 実はこのような事態が起こるシーンは「報連相の場」であることが少なくありません。部下に「いつでも相談にこい」と言っているリーダーは意外に多いでしょう。しかし、そう言っておきながら、なかなかその通りに実行するのは難しいものです。

 会議の直前やお客さまのところに出掛ける時に限って、声を掛けてくる。「空気読めないのか?忙しいのは分かるだろう。後にしてくれ」と部下にイライラして対応する。お互いストレスになります。

 「部下が相談に来ない」原因は、リーダー側にあることが少なくありません。本書でおススメをしているのは、「自分の仕事だけに集中するための貴重な時間を確保する」ことです。相談禁止の時間を設けるのです。

 ルールとして毎日15時から16時までと決めるのもありですし、リーダーは朝礼で今日の相談禁止タイムを伝えるのもいいでしょう。このように相談禁止の時間をつくっておけば、忙しくしているときい部下が相談して困ることもなくなるでしょう。

 ただ、このような相談禁止の時間を設けると、緊急事態が発生した場合は、どうすればいいかという意見も出てくるかもしれません。

 そこで、緊急対応が必要な場合は、声を掛けずにメモを電話の場所に貼ってもらいます。そうすると、会話がなくてもリーダーは何かあったのだなと気付くことができます。

 また、全員一緒に禁止タイムにはしません。そうすることによって、リーダーには相談できないけど、別の先輩には相談できるようになります。

著者プロフィール:吉田幸弘

人財育成コンサルタント。大学卒業後、大手旅行会社を経て学校法人、外資系専門商社、広告会社にて営業、広報及び管理職を経験し、独立。

必ずしも順風満帆なキャリアとはいえず、3度の降格人事から這い上がった経験を持つ。

現在は経営者・中間管理職の方向けにコンサルティング活動及び講演・研修など年間100本以上行なっている。わかりやすく実践的ですぐに行動に移せる内容と評判を得ているオリジナルで生み出した西郷隆盛式リーダーシップは、NHK朝のニュース番組「おはよう日本」でも特集された。

主な著書に「リーダーの一流、二流、三流」(明日香出版社、部下のやる気を引き出す上司のちょっとした言い回し(ダイヤモンド社)などがある。


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