一般に、1対1の合意形成の時よりも人数が多くなった時の方が合意形成は難しくなってくる。それぞれのチームから1名ずつが調整役となり、それ以外のメンバーは自分達のアイデアを主張する説得役となるわけだが、回が進むにつれて調整役の役割が重要になってくるということである。人数が多くなってくると多様な観点から意見が出されるため、それらの良い点を活かしつつも、シンプルで分かりやすい表現にまとめていくために抽象化の能力が問われる。これができないと、単純に何でも盛り込んだ長い文章ができあがってしまうからだ。抽象化は、この改革塾でも川口が非常に重要視している技術であり、常々「それを一言で言うと何?」という問いかけが繰り返されているため、メンバーにとっては手慣れたものだ。こうして、IT戦略委員会の目的というテーマのアイデアが次第に収束していった。今回のメンバーは10名であるため、最後は5対5の討議となったが、議論の末以下の4つの目的が結論として導き出された。
<IT戦略委員会の目的>
実は、ここで再設定したIT戦略委員会の目的には、改革塾メンバーのある企てが隠されていることを、オブザーバーとして参加していた相談元である浅賀はこの時点で気づいていなかった。
内山悟志(うちやま さとし)
株式会社アイ・ティ・アール(ITR) 代表取締役/プリンシパル・アナリスト
大手外資系企業の情報システム部門、データクエスト・ジャパン株式会社のシニア・アナリストを経て、1994年、情報技術研究所(現ITR)を設立し代表取締役に就任。ガートナーグループ・ジャパン・リサーチ・センター代表を兼務する。現在は、IT戦略、IT投資、IT組織運営などの分野を専門とするアナリストとして活動。近著は「名前だけのITコンサルなんていらない」(翔泳社)、「日本版SOX法 IT統制実践法」(SRC)、そのほか寄稿記事、講演など多数。
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早稲田大学商学学術院教授
早稲田大学大学院国際情報通信研究科教授
株式会社CEAFOM 代表取締役社長
株式会社プロシード 代表取締役
明治学院大学 経済学部准教授