AI時代でも、輝くビジネスパーソンでいるためにビジネス著者が語る、リーダーの仕事術(2/2 ページ)

» 2017年06月01日 04時30分 公開
[永田豊志ITmedia]
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アウトプット(成果)から逆算する

 フレームワークを使う最大のメリットは、目的に合わせて最短で情報整理ができることです。これまでは、データを集めて、それらを眺めながら「あーでもない、こーでもない」と整理していた人も少なくないと思います。しかし、フレームワークを使えば、最初に解決したい問題を決め、そのために必要なフレームワークを選び、必要な情報だけを手順にのっとって整理していくというプロセスになります。つまり、ゴールとなるアウトプット(成果)から逆順で考えていくことになります。こうすることで、無駄のない、効率的な仕事ができますし、できあがったアウトプット(提案資料やアイデア)にブレが生じません。

 フレームワークは、たくさん覚えればよいというものではありません。また、暗記すればよいというものでもありません。皆さんの仕事の現場で、シチュエーションや目的に合わせて適切なフレームワークを選び、実際に活用してみることが何より大事です。まずは、3C分析、PDCA分析、SWOT分析など定番のものを、しっかり自分の道具として使えるようになるまで、何度も何度も使いこなすことをお勧めします。

フレームワーク思考は、自分でできる働き方改革だ!

 フレームワークを活用することで、これまでとは比べ物にならないくらい、短時間で本質なことを議論したり、検討したりできるので、残業で仕事の質を補う必要もなくなります。私の個人的な経験では、極端な話、半分の時間で2倍のクオリティーを目指せる思考の道具、それがフレームワークだと思っています。今話題の働き方改革も、生産性を何倍にもしないと成果は下がる一方です。人生にとってもっとも重要なものは時間です。これまでの仕事はとっとと終わらせ、浮いた時間でさらに自分にとって価値の高い、有効なことに時間を使いたいものです。

 冒頭のAI時代に必要なことは、機械にリプレイスされない仕事を選ぶことではなく、世の中にある「問題」を自ら発見し、解決策を考えることです。AIやIoTなど高度なITは、その解決策の実行に対して、頼もしい味方になってくれるでしょう。しかし、問題を発見し、解決しようと意志を持つことは人間にしかできません。フレームワークも同じですが、道具は使い、それによって何をなしとげるか? そこに意識を集中すべきでしょう。

著者プロフィール:永田豊志

知的生産研究家。ショーケース・ティービー共同創業者兼取締役副社長。

九州大学卒。リクルートで新規事業開発を担当。その後、出版社や版権管理会社などを経て、Webマーケティング支援事業を核にしたショーケース・ティービーを共同設立。創業9年目で東証マザーズ上場、11年目で東証1部上場へ導いた。現在は取締役副社長として、経営全般を指揮している。

また、図解思考、フレームワーク分析などビジネスパーソンの知的生産性研究にも取り組んでおり、国内外で執筆活動や講演でそのノウハウ普及を行う。

著書に『知的生産力が劇的に高まる最強フレームワーク100』『頭がよくなる「図解思考」の技術』など多数。近著は『マンガで身につく フレームワークの使い方がわかる本』(SBクリエイティブ刊)。


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