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» 2017年10月04日 07時04分 公開

ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術:滑舌練習、腹式呼吸は棚上げ! 「心に届く」話し方のために必要なこと (2/2)

[松本和也,ITmedia]
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2、早口にならないよう相手の反応を待って話す

 ビジネスパーソンの話し方を耳にして最も気になるのが、「早口」です。最初に話した「ウチの業界は内容重視」と言っていた人のほとんどは早口です。金融やIT業界、医療関係者など数字やデータを扱うことが多い分野の人にその傾向が強いように感じます。なぜそうなるのでしょうか?

 そうした皆さんの仕事ぶりを想像すると、モニターを見ながらたくさんの情報を提供することに集中するあまり、聞き手が理解しているかということには頓着せず、必死で数字やデータを話し続けているからではないかと感じます。もちろん情報は数多く提供できればそれに越したことはありません。でも、せっかくの情報が聞き手の頭の中に残っていなければ何の意味もありません。大切なのは、聞き手が理解できるスピードで話すことです。

 そしてそのスピードは、自分で思っている以上にゆっくりと話さなくてはいけないものなのです。早口にならないためのコツは、相手の反応をしっかり見て、ここまでは分かってくれているかな? などと気を配ることが大事です。そうすると、次から次へと矢継ぎ早に話すことを防げます。

3、口に出す前に一呼吸置いて考えてから話す

 仕事のできる中堅クラスのビジネスパーソンに多いのですが、発言を求められたとき、頭の回転が速いため、とりあえず話し始め、話しながら内容をまとめていく方法です。これも話している方は「よし、なんとかうまくまとめることができた」と思っていることが多いのですが、聞き手は同じようにいきません。「この話はどこに行くんだ?」と不安になったり、イライラしたりしがちです。

 そうならないためには、間ができることを恐れず、しっかり沈黙して考えをまとめ、まとまってから1で紹介したような結論や概略を先に話し、次に根拠や具体例、詳細を話すようにするのです。間が怖いと思う人もいるかもしれませんが、自分が感じているほど聞いている方は気にならないものです。間があくのを怖がって、「え〜」「ま〜」「つまり〜」などの意味を持たない言葉でつなぐ必要はありません。そうした言葉を頻繁に発すると、聞き手の理解を妨げる原因にもなります。

 「一度聞いただけで話の内容が頭にスムーズに入る」話し方をするための3つのポイントを紹介しました。

 理屈だけ聞くと、すっと理解できると思います。しかし、これを実践するのは簡単ではありません。でも大丈夫です。最高の方法があります。それは、スマホなどに、自分の話し方を録音して聞き直すクセをつけるというやり方です。

 面倒くさいですか? 確かにそうかもしれませんね。ただ話し方を改善するのは、スポーツと同じで繰り返し練習するしかないのです。ちまたには「1分で〜が簡単にできる」という方法もあるようですが、私は1分で簡単にできることは、すぐに底が割れる浅い技術のようなものが多いように思います。突き放すようで恐縮ですが、このちょっとした努力の積み重ねは避けて通れません。それでも無理という場合は……そんな方のために私の仕事があると思っています。ご連絡、お待ちしています(笑)。

著者プロフィール:松本和也(まつもと かずや)

スピーチコンサルタント・ナレーター。1967年兵庫県神戸市生まれ。私立灘高校、京都大学経済学部を卒業後、1991年にNHKにアナウンサーとして入局。奈良・福井の各放送局を経て、1999年から2012年まで東京アナウンス室勤務。2016年6月に退職、同年7月からマツモトメソッド代表取締役。

アナウンサー時代の主な担当番組は、「英語でしゃべらナイト」司会(2001年〜2007年)、「NHK紅白歌合戦」総合司会(2007年、2008年)、「NHKのど自慢」司会(2010年〜2011年)、「ダーウィンが来た!生きもの新伝説」などのナレーター他。現在は、主に企業のエグゼクティブをクライアントにしたスピーチ・トレーニングや、話し方の講演を行っている。


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