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» 2011年09月07日 07時00分 公開

海外ベストセラーに学ぶ、もう1つのビジネス視点:住みやすい地球を守り続けるためにするべきこと (3/3)

[エグゼクティブブックサマリー,ITmedia]
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企業は進化しなければならない

 個人、政府そして(巨大で強力な団体として)企業は、上記のような問題に取り組む重大な責任を負っています。多国籍企業は、各国(つまりその国に住む人々)から運営する許可を得ています。運営許可を得るために、企業は生活をより持続可能なものにすることを道徳的に求められています。理論上、企業は永久に存続することが可能なため、長期的な企業存続に伴う、社会的経営視点を取り入れる必要があります。それは環境保全や社会的責任、存続責任といったことです。当然のことですが、巨大企業が目先の利益にだけ集中していては、大抵の場合、極めて悪い事態を招くことになります。

 企業は財務状況だけでなく、社会、経済、環境の側面から見た「トリプル・ボトムライン」に基づいた総合的パフォーマンスを報告する必要があります。これはサスティナビリティ・レポートと呼ばれ、企業のプロファイルやガバナンスを詳述し、戦略的環境計画の概要を記したものでなければなりません。また、地域の生態系に企業が与える影響を説明し、労働安全衛生基準に準拠していることを示すものでなければなりません。

 さらに、企業がベンダーに差別や児童就労を避けるよう義務付けていたり、結社の自由を許可していたり、先住権を支持したりしている場合、それも記入することができます。このトリプル・ボトムラインを記したレポートは、企業が良き市民であるかどうか示すものです。環境への責務を果たしている企業の例として次の3社が挙げられます。

 企業=法人の役割の1つに「社会貢献」があげられます。「社会貢献」とは経済活性による国家の繁栄のサポートのみならず、地域環境の改善や保全についても考えるべきことの1つとなっていることも間違いありません。ここで事例として挙げられている3社は国家をまたいだ大企業として環境保全にも積極的に参入しています。彼らが行っている施策が下記の通りとなっています。

環境への責務を果たしている3社の例

 1、バンク・オブ・アメリカ

 マンハッタンに新しく建てられた54階建ての本社は環境に優しい超高層ビルで、必要エネルギーや水の消費が少なく、外気と自然光が入って来るよう設計されています。二重壁技術と特殊な半透明ガラスにより最適絶縁が施されており、リサイクルされた建材が主材料として使用されています。エネルギー効

率を最大にするため、コジェネレーション発電所も有しています。

 2、コカコーラ社

 同社は水に対し「中立な立場」を取る英雄として知られています。水のサスティナビリティと平等を推進するプロジェクトを支持しながら、水資源の使用量を減らすためにできることは全て行っています。コカコーラ社や200カ国にいる300のパートナーにとって、大切な水の管理を行うことが長年に渡り主要な目標になっています。他にもさまざまな取り組みを行っていますが、この取り組みは水利用の効率性や水質、廃水処理を最大限高めるためのものです。コカコーラ社の水の管理の最終目標は、水の「節約、再利用、補給」であり、それを行うことで飲料産業の中で最も水を効果的に使用するグローバル企業となる事です。

 3、マクドナルド社

 同社は118カ国に3万2千件の店舗を持つ世界最大のレストラン・チェーン店です。環境防衛基金と協力し、サスティナビリティの促進に努めています。例えば、1970年代に比べ、「ビッグマック、フライドポテト、ドリンク」などと書かれた商品のパッケージの現在の使用量は重さにして半分になりました。また、サプライヤーに対し、「双方で設定した廃棄物削減目標」の達成や環境への影響を最小限に留める生産方式の導入など持続可能な慣行を取り入れるよう要請しています。

 ここに挙げられているのは企業として貢献できる事ですが、環境保全においてすべきは企業のみならず、同じ地球上に住む1人として個人にもその役割が課せられていることも忘れてはなりません。

 もちろん、サスティナビリティの促進と支持において企業ができることは(極めて重要な役割ではありますが)限られています。政府、組織、個人にも大切な役割が課せられています。

著者紹介

マーヴィン・キングは、南アの元裁判官であり、企業統治の専門家で地球的規模報告イニシアチブの議長を務めています。テオドリーナ・レシドレンスカ博士は、サスティナビリティの専門家です。


プロフィール:鬼塚俊宏ストラテジィエレメント社長

鬼塚俊宏氏

経営コンサルタント(ビジネスモデルコンサルタント・セールスコピーライター)。経営コンサルタントとして、上場企業から個人プロフェッショナルまで、420社以上(1400案件以上)の企業経営を支援。特に集客モデルの構築とビジネスモデルプロデュースを得意とする。またセールスコピーライターという肩書も持ち、そのライティングスキルを生かしたマーケティング施策は、多くの企業を「高収益企業」へと変貌させてきた。


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