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» 2013年11月06日 13時00分 公開

ITmedia エグゼクティブ勉強会リポート:女性の活躍は日本を救うか?――会社役員を目指す女性社員を育てよう! (2/2)

[山下竜大,ITmedia]
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これまでの女性の活用は「総論賛成、各論風まかせ」

 女性の会話力と男性の会話力はどちらが能力として高いのだろうか。古川氏は、「女性は喫茶店でオーダーした品物が届く前に、水だけで盛り上がることができる。一方、男性は会話が続かない。3年ぶりに旧友と再開しても、どこでどんな仕事をしているかと聞くぐらいで、あっと言う間に話題が枯渇してしまう。そのため男性は、女性のいる店に行ったり、若手もダーツやビリヤードのある店に行ったりして、自分たちの会話がなくても時間がつぶせる行動をとる」と話す。

 また男女の地頭については、小・中・高・大学と、どの教職員に聞いても女性の方が優秀、もちろん就職試験でも女性が優秀。男性に下駄を履かせて評していることが多いと話す。

 それでは、なぜ就職して何年かすると女性は男性に抜かれてしまうのか。「これには、いくつかの理由がある。男性にもいるが、自分の箱の中に閉じこもり、その分野だけしっかりやる女性が多いのではないか。これ以上の仕事もこれ以下の仕事もしないというタイプ」と古川氏は指摘する。

 新しく来た案件を、男性上司が、自分の男性部下か女性部下のどちらに振るだろうか。アンケートを1000人程の男性管理職にしたところ、99%は男性部下に振ると答えている。理由は、男性に振ると「はい。分かりました」と愚直に答えるのが精一杯であるが、女性に振ると「ウチの部署にとっての意義は何ですか」「進め方はこれでいいですか」などと聞き返してくることが多い。古川氏は、「これが面倒なので、悪気はないが男性に仕事を振ることが多い。では地頭は別にしても、例えば5年間新しい仕事に対処しなければならない男性と、新しい仕事がほとんど来ない女性では、どちらが伸びるであろうか。男性上司にとっては、女性を差別するという意識はないのだが、結果的にトレーニングの機会を与えていない」と言う。

 女性活躍推進の敵をまとめてみると、熱心に残業する上司や時短に心底賛同できない上司がひとつ。上司が残業していたら男性部下も帰りにくいのに、時短の女性は早く帰ることに遠慮をしてしまう。つまり、制度はあっても、運用ができていないということ。また、気を使い過ぎて、女性にはなんでも「Yes」という上司。男性に「YesとNo」をはっきり言うなら、女性にもそうあるべき。ある優秀な新人女性にこんな悩みがあったと聞いたことがある。「私に注意をしてくれない、私のことを何も気にもしていない、私は何も期待されていない」、と。また女性の最大の敵は「女性」であることも多い。女性は、周りの女性との和を大切にして協調する傾向がある。お互いに足を引っ張り合うという意味ではなく、自分だけが抜擢されれば、周りの女性に遠慮をしてしまいがち。このことを知らない男性が多い。

 古川氏は、結論として次のように話す。「現状女性の活用は、多くの会社で"総論賛成、各論風まかせ"となってしまっているのが実情である。多くの上場企業でも人事部にダイバーシティ推進室のような名前の部署を作り、女性課長を一人だけ置いて、オシマイとしていることが多い。ただ、今後はもっと積極的な女性登用に変っていく可能性が高いので、他社に先んじて女性登用をすべき。人はすぐには、育たないから」

今嫌われても将来感謝される上司になれ!

 「"箱の中に閉じこもる女性は多い"という話をしたが、多くの女性の意見として、"責任ある仕事をしたくない"とか、"男性と同じようには働けない"というものがある。しかし女性が男性とまったく同じ仕事のやり方をする必要はない。女性らしいやり方で男性と違う価値を創造すればよい。大切なのは、一生働く覚悟をしっかりすること」と古川氏は話す。

 「女性にはセミナーなどで、役員や幹部は責任も大きいが、年収や仕事面でのやりがいも大きく、決して悪くない仕事であると話している。こうした啓蒙活動により、働く意味をしっかり認識している女性も増えている。その一方、ハラスメントを恐れて叱れない上司、女性を育てられない上司が多いのも事実である」(古川氏)。

 古川氏は、「"今嫌われても将来感謝される上司になれ!"と書籍にも書いている。調査をしてみると、"今の自分がいるのは厳しかった上司のおかげ"という回答は多い。いつも"Yes"と言うだけではなく、ときには"No"と言うことも必要。また"優しさ"と"厳しさ"も、"叱る"ことと"褒める"ことも重要である」と言う。

 結論として古川氏は、「企業に求められるのは、早く役員や幹部を目指す女性を育てることである。女性活躍推進をすることにより、会社や組織を伸ばすことができる。女性にも責任ある仕事を任せ、甘やかすことなく、女性を活用できる上司になるためには、今嫌われても将来感謝される人となることが必要である。女性活躍推進は難しいと言う会社も多いが、それは単なる言い訳ではないか。海外に生産ラインを作ったり、高度な技術を駆使したりできる日本の会社が女性活躍推進を他国並みにできないはずがない」と話し、講演を終えた。

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