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» 2018年03月14日 07時14分 公開

ジャパンネット銀行が銀行の常識を変える!ユーザーのニーズに徹底的に寄り添う数々の“日本初”の取り組み経営トップに聞く、顧客マネジメントの極意(2/2 ページ)

[聞き手:井上敬一、文:牧田真富果,ITmedia]
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田鎖 その点はまだ具体化できておらず、今後どうなるのかもまだ分かりませんが、一つの夢ではあります。お金を多く持っている人が貸した分を必ず返してくれるとは限りません。その人のお金の使い方や、真面目さによって、貸し倒れの確率は変わります。しかし、これまで金融機関は、年収はいくらか、持ち家かどうかなどの部分でしか判断してきませんでした。その人の信用は、年収などの情報だけではなくて、きちんと約束を守る人かどうかという行動の積み重ねも影響すると思います。

 お金の貸し借りも約束事なので、約束を守ってきた実績がどれだけあるかが重要になってきます。そういった点を金融の世界にも持ち込みたいと妄想している最中です。将来実現できたらいいですね。

井上 ネットショップを運営している人については、商品を送る際のやりとりなどについてもデータ化できそうですよね。

田鎖 技術的にはそんなに難しいことではありませんが、「人となり」のようなものを審査基準にするということに対するお客さまの感じ方、世の中での受け止められ方というのが重要です。今はまだ自分のデータを勝手に使われていると警戒する人が多いと思います。 時代とともに人々の感じ方は変化するので、その変化に合わせていかなければいけません。

田鎖氏(左)と聞き手の井上氏

お客さまの声を徹底的に拾い上げ、サービス改善に生かす

井上 お客さまの声をサービスの開発につなげていると感じました。どうやってお客さまの声を拾い上げているのですか?

田鎖 インターネットだからといって直接コミュニケーションができないわけではありません。コールセンター、チャット、LINEにも窓口があり、気軽に連絡できる環境を整えています。LINEではキャラクターを使い、より親しみやすく雑談するようにコミュニケーションできるものになっています。そういった複数のコンタクトポイントから直接お客さまの声を集めています。

 また、インターネット上の操作をもとに気持ちを類推することもできます。どのページまで見てくれたのか、長い時間ページに滞在しているから分かりにくいのではないかなど細かく解析しています。その他、SNS上のお客さまの声を拾うなど、接点をとても大事にしています。

井上 声を拾うのも早いですし、改善のスピードや新たなサービスの展開も早いですね。

田鎖 今や、ネットの方がお客さまとの距離が近づいていると思います。その近い距離をできるだけサービスに反映することを心掛けています。

 銀行が考えている当たり前は、お客さまからすると当たり前ではないとよくいわれています。銀行業として法律で決められていることなど、銀行側でやらないといけないことはたくさんありますが、それはお客さまにとって重要なことではありません。それよりも、重要なのは、どうやってコミュニケーションを取ってくれるのか、どんな便利なサービスがあるのかということなのです。

 社内では、「銀行の当たり前をなくす」という言葉を掲げています。古い銀行の考え方ではお客さまの求めるものを提供することはできません。お客さまのリアルな声を拾い、ニーズを満たす新たなサービスを実現することを徹底したいと考えています。

井上 私も、銀行とのやりとりで不便を感じたことは多々あります。銀行はこれまでの常識を壊し、今後さらに変わっていかなければならないところにきているのでしょうね

田鎖 昔は店舗に行くのが銀行取引のイメージでしたが、今はスマホの上が銀行です。これからどんどん銀行の店舗は減っていくと思います。店舗に来てもらうのではなく、スマホやパソコンを通して、お客さまのもとへ私たちが行くというイメージでサービスを提供しています。

 最近のある顧客満足度調査では、ジャパンネット銀行は20代の満足度が突出して高いという結果が出ています。特に若い世代にとっては、立派な店舗を持っているよりも、自分にとってどれだけフレンドリーなコミュニケーションを整えているかの方が重要な時代です。常にお客さまの目線で、銀行としてどんな提案ができるかを考えていきたいです。

編集後記

 対談を通して、「顧客に最も寄り添う銀行」だと感じました。銀行都合で決められていた業務やサービスをジャパンネット銀行は顧客都合のサービスへと変えていく。実商売に近い形で使える利便性の高いビジネスローンや、トークンのカード化などは、正にその典型例です。また、LINEによる365日24時間利用可能な問い合わせ機能は、より早く、より手軽なコミュニケーションツールです。この機能によって、顧客の潜在ニーズを確実に吸い上げ、さらに素早く改善につなげる姿は今の時代にとてもフィットしていると感じました。

 日本初のネット銀行でありながら、ジャパンネット銀行ほどお客さまにフレンドリーな銀行は他にはなく、先行利益をここまでのレベルで顧客に還元している会社もないと感じました。「銀行に顧客が行くのではなく、銀行から顧客のもとへ行く」そう語る田鎖氏の言葉が印象的でした。銀行出身ではない社長が作る銀行は、きっと徹底したユーザー目線の銀行になると思います。これからの個人事業主、中小企業、そして個人まで、全ての銀行ユーザーから選ばれる銀行になるかもしれないと胸が躍りました。

プロフィール

井上敬一

ブランディングコミュニケーションデザイナー

株式会社FiBlink代表取締役

兵庫県尼崎市出身。立命館大学中退後、ホスト業界に飛び込み1カ月目から5年間連続ナンバーワンをキープし続ける。当時、関西最高記録となる1日1600万円の売り上げを達成。業界の革命児として、関西最大規模のホストクラブグループの経営業を経て、現在は実業家として企業、個人のブランディングやアパレル、サムライスーツなどのプロデュースを手掛ける他、人に好かれるコミュニケーションを伝える研修・講演を展開している。また、Webセミナー「プレジデントキャンパス」により、中小企業経営者の学びの場をもっと身近なものにして日本経済をけん引する役割を目指す。

圧倒的な実績に裏付けられたコミュニケーションスキルを分かりやすく説く講演は、多くの企業・団体から支持を受けている。これまで数多くのメディアに取り上げられ、独自の経営哲学で若いスタッフを体当たりで指導する姿はフジテレビのドキュメンタリー番組『ザ・ノンフィクション』で8年にわたり密着取材され、シリーズ第6弾まで放映されている。

 主な著書に、「ゴールデンハート」(フジテレビ出版)、「人に好かれる方法」(エイチエス株式会社)などがある。


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