仕事の成果は、最も弱いスキルに影響されるビジネス著者が語る、リーダーの仕事術(2/2 ページ)

» 2019年03月28日 07時03分 公開
[中尾隆一郎ITmedia]
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 例えばこのようなやりとりがありました。

Aさん:「管理職が弱くて、不足しているので至急採用しないといけないのです。予算申請をします」

私:「なるほど。そうなのですね。ちなみに管理職は何人いるのですか?」

Aさん:「10人です」

私:「何人不足しているのですか?」

Aさん:「えーっと、2,3人です」

私:「ちなみに、内部から昇格できる候補はいないのですか?」

Aさん:「2人います」

私:「ということは、何人不足しているのですか」

Aさん:「不足していないかもしれません」

 これ、本当のやりとりなのです。足し算と引き算だけで問題が解決しました。

 こんなやりとりもありました。

Bさん:「営業数字が1000万円足りません」

私:「そうなのですね。でどのように考えているのですか?」

Bさん:「どうしてよいのか分からないのです」

私:「なるほど。では少し考えてみましょう。ちなみに商品の平均単価はいくらですか」

Bさん:「50万円です」

私:「ということは1000万円/50万円=20社から受注しないといけないのですね。ちなみに営業から成約の歩留まりは何%ですか?」

Bさん:「50%です」

私:「ということは20社/50%=40社に営業すればいいのですね。ちなみに残営業日数は何日ですか?

Bさん:「20日です。ということは40社/20日=2社に毎日営業できれば達成するという事ですね」

私:「そうなのですが、ちなみに営業から成約まで何日かかりますか?」

Bさん:「10日です。ということは、残日数は20日ですが、最後の10日は営業しても

成約までこぎつかない可能性があるので、40社/10日=4社に毎日営業できれば達成するということですね」

私:「そうですね。念のために危険率を20%くらい見込んで、4社×120%≒5社にしておいた方がいいですね」

Bさん:「そうですね。5社毎日営業してみます」

 これも本当のやりとりです。割り算と掛け算で問題が解決しました。

 2019年3月6日に出版した「数字で考えるは武器になる」は、四則演算だけで仕事のレベルをアップすることを目的にした本です。リクルート時代のメディアの学校の「数字の読み方、活用の仕方」講座の内容をベースにしながら、より分かりやすい内容にしました。おかげさまで、1週間で重版出来になりました。よかったら手に取ってください。

著者プロフィール:中尾隆一郎

中尾マネジメント研究所 社長

1989年大阪大学大学院工学研究科修了。同年リクルート入社。リクルート住まいカンパニー執行役員(事業開発担当)、リクルートテクノロジーズ社長、リクルートワークス研究所副所長などを経て、現職。旅工房 社外取締役を兼任。

著書に「リクルート流仕事ができる人の原理原則」「営業マン進化術」「転職できる営業には理由がある」「最高の結果を出すKPIマネジメント」「最高の成果を生み出すビジネススキル・プリンシプル」「数字で考えるは武器になる」など。成長し続ける組織つくりを支援するTTPS勉強会主催。


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