ただ、これだけでは、精神論。きちんと、リスクをマネジメントしておきましょう。その時、「もし、ミスをした場合」「うまくできなかった場合」の想定をしておきましょう。想定した上で、任せます。
それでもミスの多い部下に任せるのは怖いものです。予防策を講じておきましょう。3つのステップで指示を出すことです。
ここで、大事なのは、「復唱」です。思った以上に理解できていないことに驚かされるかもしれません。
さて、ここで面倒だな、と感じたなら、こう考えてくさい。「部下の能力に合わせるのもダイバーシティ」だ、と。
少し、嫌な表現になりますが、誤解のないように聞いてください。
やはり、人には得手不得手があります。言葉を理解するチカラも同様に、得手不得手があります。これは、適性試験をすると、明確に出ます。
そう考えれば、本人の問題ではなく、多様性のあるマネジメントができるかどうかの問題であり、部下のうっかりミスは、伝える側の問題でもあると考えてください。ミスの多い部下であっても、マネジメントで予防はできます。
なかなか、業務を引き継げない理由に、自分にしか分からないようなカスタマイズをしていることが理由の場合は少なくありません。長年その業務に従事していると、自分だけには便利な進め方をしてしまうもの。書類作成は、ひな型を用意したり、やりとりの複雑さを解消しておいたり、などは常日頃取り組んでおきましょう。例えばレポートは、用意したA4 1枚のひな型に、文字の一部を変更すれば済むようなものにするなども一考です。可能な限りシンプルにしてみてください。
今回は、プレイングマネジャーが知っておきたい「任せるコツ」に絞って紹介しました。私は、現場に精通するプレイングマネジャーだからこそできるチャレンジがあると考えています。これは、私が講師を務める研修でも常に伝えていることなのですが、プレイングマネジャーの本来の役割は、短期のタスクをこなすだけでなく、現場発想のイノベーションをおこすことです。きっと誰よりもお客さまや社内業務のちょっとした不の声(不=不安、不満、不便)を感じる恵まれた立場にいるのではないでしょうか。ぜひ、任せられることは任せ、現場発想のイノベーションに挑戦する、そんなサイクルをつくる一助になれば幸いです。
らしさラボ 代表取締役
1991年リクルートグループ入社。人見知りを4万件の訪問を通じじて克服。全国年間を通じてのトップを4回、累計40回以上、トップセールス、トップマネジャーとして表彰。その後、営業部長、関連会社の代表取締役を歴任。短時間で成果を出す手法を駆使した“立って仕事をする管理職”としても社内報で紹介される。
2011年、研修会社「らしさラボ」を設立。「らしさ」を生かし、営業力強化、リーダーシップ、ストレス対策の研修・講演・コーチングを実施。年200回以上の登壇をし、そのリピート率は9割を超える。日本経済新聞、ビジネス誌から女性誌まで、幅広くマスコミでも紹介される人気研修トレーナー。
近著に「メンバーが勝手に動く最高のチームをつくる プレイングマネジャーの基本(かんき出版)」「できるリーダーは、「これ」しかやらない メンバーが自ら動き出す「任せ方」のコツ (PHP研究所)」「計算ずくで目標達成する本(すばる舎)」「仕事の速い人が絶対やらない段取りの仕方(すばる舎)」「面倒な“やりとり”がシンプルになる仕事のコツ48(かんき出版)」他多数の書籍がある。無料メルマガセミナーも好評。
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早稲田大学商学学術院教授
早稲田大学大学院国際情報通信研究科教授
株式会社CEAFOM 代表取締役社長
株式会社プロシード 代表取締役
明治学院大学 経済学部准教授