上司としては、部下に成長してほしいと思っている。成長のためにはいまの自分自身を越える努力が必要だ。だからいまは大変でも乗り越えてほしい。
一方で部下は、忙しいばかりで目の前の仕事をこなすのに手いっぱい。成長なんていってられないくらい大変だ。もちろん成長はしたいけど、まずは仕事がもっと効率化できるように上司に調整してほしい。そんなことを思っているかもしれません。
そこをチューニングしていくと、「2人とも成長に関しては同じ思い」。違うのは「上司は努力で解決してほしいと思っている」「部下は上司に仕事の調整をしてほしいと思っている」というところです。これだけ見える化すれば、解決の糸口は見つかるはずです。
不満やストレスを抱えたままではもったいない。だから脳内チューニングを行います。
脳内チューニングは伝わる技術の一例ですが、ほかにも実はついついやってしまう伝え方の勘違いがあります。
特に大きな勘違いは「伝える」と「伝わる」を同じに考えているケースです。
以前、ある会社のマネジメント職の人からこんなことを聞かされたことがあります。
「大切なことを部下に何度も伝えたのに、まったく届かない。どうしたらいいのか分からない」
よく聞いてみると、このマネジメントの人は、「言う」=「伝わる」と考えていたようです。でも、それは勘違いです。「伝える」は自分ベース、「伝わる」は相手ベースです。ただ伝えるだけでは「伝わらない」。そのためには、技術が必要です。
例えば、「ファクトとメンタルの法則」という伝わる技術を知らないことで、部下への助言や注意が、「ただ怒られている」としか伝わらないなんてこともあります。例えば、「フリオチの法則」を知らないことで、上司の話を部下がスルーしてしまうこともあります。
ここでは紹介できなかった伝わる技術は、拙著『バナナの魅力を100文字で伝えてください』(かんき出版)に詳しく書いています。リーダーのスキルの一つとして、「伝わる技術」をぜひ身につけてください。
慶応義塾大学文学部卒業後、読売広告社入社。出版業界に転職し、アスキーなどを経て2002年アスコム入社。2008年より取締役に就任。これまで手掛けた本、ムックの累計部数は1000万部を越える。
自著に『パン屋ではおにぎりを売れ』『バナナの魅力を100文字で伝えてください』(ともに、かんき出版)がある。
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早稲田大学商学学術院教授
早稲田大学大学院国際情報通信研究科教授
株式会社CEAFOM 代表取締役社長
株式会社プロシード 代表取締役
明治学院大学 経済学部准教授