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» 2010年11月25日 08時00分 公開

チリ鉱山落盤事故とドラッカーと働きがい生き残れない経営(3/3 ページ)

[増岡直二郎,ITmedia]
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 営業を例に挙げると「職務」とは一般的にある製品を、ある客層に、いくらで、どれほど売るか、にすぎない。「役割」とは、各人の強みや得意技術を生かすことを念頭に、具体例で言えば短期には当面の問題解決(納期遅れ・クレーム対応など)、中期には納期や在庫のトラブル解消システムの構築、長期には新規顧客開拓や顧客要望の新製品への反映などのイノベーション、となる。

 経営者・管理者は、そういう「役割」を部下に与え、または自ら設定させ、しかもその役割遂行のための支援を積極的に行い、結果を正当評価して「やる気」を引き出さなければならない。それが自然に流れる仕組みを作る必要がある。

 仕組みは、大前提として各人を生きた存在としてとらえ、1.まず主観的・客観的に激変する状況下で、適宜各人の強みを生かした役割を明確にして与え、あるいは自ら設定させる、2.役割遂行のための支援(人、資金、相談など)を強力に行う体制を作る(例えば、役割遂行上で人材に欠けた場合、人事部門は放置や我慢をさせるのでなく、すぐ補填する)、3.役割遂行結果に対する、公正な評価方法の制度確立、4.その結果が、「企業にとって生産的か」「企業人として充実した人生につながるか」をフォローアップする体制を作る。

 これについての、守島基博一橋大学大学院教授の適切な提言がある。「仕事を通じて働きがいを提供する新たな仕組みを構築する必要」がある。それは「エンパワーメント」だ。

 「自律的に目標が達成できるようになるための支援」だ。「そのためには、権限を与えたり、自由度を高めたりするだけではだめだ。ただ権限を与えても、課題を実行するための資源や能力が備わっていないと、結局は失敗に終わる」(『プレジデント』2010.5.3.)。

著者プロフィール

増岡直二郎(ますおか なおじろう)

日立製作所、八木アンテナ、八木システムエンジニアリングを経て現在、「nao IT研究所」代表。その間経営、事業企画、製造、情報システム、営業統括、保守などの部門を経験し、IT導入にも直接かかわってきた。執筆・講演・大学非常勤講師・企業指導などで活躍中。著書に「IT導入は企業を危うくする」(洋泉社)、「迫りくる受難時代を勝ち抜くSEの条件」(洋泉社)。



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