この止めるというのが、2つ目の考え方につながります。
2つ目は、「重要な仕事に絞る」ということです。別の表現をすると、やるべき仕事に集中するということです。
私自身、私がやるべきことと、やらないことが明確なのです。リクルート時代から、相談を受けても、それはやりませんと明確に伝えることができました。このような表現をすると、あなたがわがままだからそのような取捨選択ができるのだと思われるかもしれません。確かにわがままではあります(笑)。
しかし、誰にとっても時間は有限です。重要ではない、やるべきではないテーマに取り組むほど人生は長くないのです。重要な、やるべきことに集中することが重要なのです。やらないことを決めるというのは、生産性が高い仕事をするうえで重要なポイントなのです。
3つ目は、私が「広げて、閉じる」という表現をしている考え方です。
最高のGoalはMoon Shootレベルです。そこにたどり着く方法は簡単には見つかりません。そこにたどり着くようなイノベーティブな方法を見つけるのは簡単ではないのです。「できる限りたくさんの選択肢を見つけ」て、そこから「最適な選択肢を選ぶ」ことが必要です。つまりたくさんの方法を見つける。つまり「広げる」というプロセスとその中から最適な案を見つける。つまり、「閉じる」プロセスが必要なのです。
そして、広げる時には、できる限り思考を自由にするのがポイントです。選択肢を広げる際に、ベストプラクティスや事例というのを参考にすることがあります。とても良い考え方です。ところが、その事例を同業に絞って入手するケースが多いのです。しかし、同業だけを参考にするのではもったいないのです。異業種や一見関係ないところから事例を持ってこれるかが、ポイントなのです。
この本の4章では、この広げる観点を28挙げてみました。これ、かなり力を入れて書きました。
誰と一緒に考えるのかも重要です。若者、ばか者、よそ者と考えると従来の発想とは違う方法が見つかることがあります。私がどこかに異動する際、あるいは現在のように新しいチームに入る時は、「よそ者」であり、その業界の常識を知らない「ばか者」の役割を担っているのです。
まとめると
1、Moon Shootレベルの「重要な仕事」に絞り、
2、Moon Shootレベルの高いGoalを目指し、そこから「逆算」して仕事を設計する。
3、Moon Shootを実現するために既成概念を外し、「さまざまな選択肢の中から、最適な方法を選択」し、実行する。ということです。
超一流の人は、この3つの考え方をいつも当たり前に実践しています。一流の人は、おおよそ実践しています。そして、普通の人は、この3つの考え方を知らない、あるいは知っていても、ついつい忘れてしまいがちなのです。この本では、私が常に意識している、これら3つの考え方の具体的な実行方法をまとめました。よかったら手に取ってください。
株式会社中尾マネジメント研究所(NMI)代表取締役社長兼 株式会社旅工房(マザーズ6548)取締役
リクルートに29年間勤務。リクルートテクノロジーズ代表取締役社長、リクルート住まいカンパニー執行役員、リクルートワークス研究所副所長を歴任。
2019年3月株式会社中尾マネジメント研究所を設立。世の中に役立つサービスを提供×大きな成長を志向×中尾が関与することでその実現度合いが高まるテーマ(主に経営マネジメント強化)×経営者と直接仕事をする案件に絞ってビジネスをスタート。
専門は事業執行、マネジメント全般、事業開発、マーケティング、人材採用、組織創り、KPIマネジメント、管理会計など。良い組織づくりの勉強会(TTPS勉強会)主催。
著書 『最高の結果を出すKPIマネジメント』(フォレスト出版)8刷。『「数字で考える」は武器になる』(かんき出版)3刷、『最高の成果を生み出すビジネススキル・プリンシプル』(フォレスト出版)、『転職できる営業マンには理由がある!(共著)』(東洋経済新報社)、『リクルートが教える営業マン進化術(共著)』(全日出版)。ビジネスインサイダージャパンで毎月マネジメントについて執筆中。
1964年5月15日生まれ。大阪府出身。
1987年大阪大学工学部卒業。89年同大学大学院修士課程修了。
2019年エッセンシャルマネジメント・スクール(EMS:0期生)修了。
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早稲田大学商学学術院教授
早稲田大学大学院国際情報通信研究科教授
株式会社CEAFOM 代表取締役社長
株式会社プロシード 代表取締役
明治学院大学 経済学部准教授