「上司」としての、その立ち振る舞い、OKかNGかビジネス著者が語る、リーダーの仕事術(2/2 ページ)

» 2020年04月02日 07時02分 公開
[柴田励司ITmedia]
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26、部下の忖度に気づいていない

27、他社の社員が優秀に見える

28、仕事がデキるだけの人をリーダーにしてしまう

29、悪い情報を部下に隠す

30、相性が合わないのを部下のせいにする

31、説得しようと試みる

32、ネガティブな意見を拒絶してしまう

33、想定外の事態で部下を責めてしまう

34、反対しないが賛成もしない

35、空気が悪いのを放っておく

36、資料が多いのをよしとする

37、会議が指示をする場になっている

38、参加するだけの人がいる

39、気くばりをおろそかにしてしまう

40、「やったことがない」という不安に負けてしまう

41、部下を子分扱いしてしまう

42、すぐに社員を呼びつけてしまう

43、希望を語らない

44、部下にやらせず、自分でやってしまう

45、忙しい方が評価されると思っている

46、部下にやってもらえばいいと思っている

47、働き方改革とは残業規制だと思っている

48、自分の若いころのハードワークを強要してしまう

49、若い時に頑張った遺産で逃げ切るつもり

50、朝令暮改で部下を振り回してしまう

(「上司の“当たり前”を止めなさい――目次から」)

 これらは、私が目にしてきた“ダメ上司”の行動例です。部下たちが“ダメ上司”をどう見ているか、のリストでもあります。共通しているのは、それが“ダメ”と評価されていることに気付いていないことです。

 上司たるもの、仕事ができるのは当たり前。それだけでは足りません。“あの上司と一緒に働きたい!”と思われたいものです。いかに周囲の人たちが一緒に働きたいと思うか、それを意識しましょう。部下の人気取りをせよ、と言っているのではありません。部下が期待する姿をイメージして、それを演ずるのです。

 本書では上の50のダメ事例に心当たりがある人に向けて、その行動を見直すヒントをまとめてみました。頭から読む必要はありません。気になる行動事例から確認してみてください。☆は初級管理職、☆☆は上級管理職、☆☆☆は執行役員、本部長、社長など一定範囲で意思決定することが役割責任となる人をイメージしています。

 これからの「上司」は大変です。これまでは自分の経験をベースに指導してきたかもしれませんが、これからは「指導」ではありません。場合によっては自分よりも特定領域で優れている人に、いかに活躍してもらうか、それが論点となります。

 自分よりも年上、外国人の部下は当たり前、業務委託の人や副業で参加している人も出てくるでしょう。そういう中で組織としての結果を出していくためには「ピープルマネジメント力」が最も重要になります。そうなると、“あの人と一緒に働きたい”という魅力があるか、これが問われます。自分で“当たり前”と思ってやっていることが、周囲にとって“一緒に働きたくない”と思わせることになっていないか。本音ベースで確認してみてはいかがでしょう?

 50のチェックリストを部下たちにつけてもらってみてください。まずは、そこからですね。

著者プロフィール:柴田励司

1962年東京都生まれ。上智大学文学部英文学科卒業後、京王プラザホテル入社。京王プラザ在籍中に、在オランダ大使館出向。その後京王プラザホテルに戻り、同社の人事改革に取り組む。

1995年、組織・人材コンサルティングを専門とするマーサー・ヒューマン・リソース・コンサルティング(現マーサージャパン)に入社。

2000年、38歳で日本法人代表取締役社長に就任。組織に実行力をもたらすコンサルティング、次世代経営者層の発掘と育成に精通する。

2007年、社長職を辞任し、キャドセンター代表取締役社長、デジタルスケープ(現イマジカデジタルスケープ)取締役会長、デジタルハリウッド代表取締役社長、カルチュア・コンビニエンス・クラブ代表取締役COO 、パス代表取締役CEO 、ジヴァスタジオ代表取締役会長、マードゥレクス代表取締役会長などを歴任。

2010年7月より「働く時間」「学ぶ時間」をかけがえのないものにしたいという思いのもと、経営コンサルティング事業と人材育成事業を柱とするIndigo Blueを本格稼働。2015年11月より代表取締役会長に就任。


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