寺田氏 これはね、一晩ゆっくりと徹夜で話したいぐらいのテーマです。世の中、恋愛関係でありとあらゆる問題がおきて大変な思いするわけで、あるときは戦争になったり、あるときは愛があふれたりね。
自分を触発して成長させてくれるパートナーに会えるかどうかが大事だけれど、若い頃は出会った人にすぐ「この人だ!」と思っちゃうんだよね。それで失敗していた。これも年齢の問題があって、どういうタイプの人が自分にとって一番ふさわしいのかが分かるのは、50歳くらいになってからなんだよね。若い頃は師匠の三木のり平さんに「お前は女性を見る目がない」「お前が本質的に求めている女性はそういうタイプじゃない」と言われ続けていましたよ。
男と女の関係は2人で作りあげていくものなんだけど、私は若い頃は家庭をかえりみず、ファミリーを作っていこうとしなかったから、ダメになったんですよね。ついワガママを言っちゃって。
この間テレビを見ていて、「子育てを手伝うよ」っていう夫に奥さんが「私とあなたの子どもなのよ。手伝うじゃなくて、一緒に育てるの」と言ってて、ちょっとジンときましたね。夫婦になったら、手伝うんじゃなくて、一緒にやるのが当たり前なんですね。大変だけど、男と女は一緒にやっていかなきゃいけない。この一緒にいる距離感が、難しいんだけどね。僕なんか、80歳になるけど、まだ距離感がつかめない(笑)」
寺田氏のたっての希望で、参加者も画面上に顔を出して、直接会話をする形で行われるこの相談会。寺田氏の経験や見識に裏打ちされたユーモアあふれる回答の数々に、多くの参加者がうなずきながら聞き入っている様子が見られた。今回の相談のポイントとなったのは、50歳という年齢。家庭や社会でのポジションも変化していくこの年齢から、どのような方向を目指すべきか、参加者にとっても大きなヒントとなったのでは。
寺田氏 この勉強会で、いろいろな仕事、いろいろな考えの方と話すことができて、また新たに気付くことがありました。開高健さんの有名な言葉『悠々として急げ』のように、悠々と楽しく日々を送っていきましょう。嫌な思いをしても1日、楽しくても1日ですからね。毎日をいかに楽しく健康に過ごすかが大切です」
80歳を目前にして意気軒高な寺田氏。交流会の最後に、すてきなメッセージを残してくれた。焦らずに、でも緊張感を持って、悠々と日々を送ることが、寺田氏のように楽しく健康に歳をとる秘訣(ひけつ)なのかもしれない。
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早稲田大学商学学術院教授
早稲田大学大学院国際情報通信研究科教授
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明治学院大学 経済学部准教授