第1回:部下が辞める悪習慣から脱却する「7つの神ルール」(2/2 ページ)

» 2023年01月24日 07時03分 公開
[清水康一朗ITmedia]
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すぐに実践! できる上司がとるべき行動とは?

1、笑顔がある職場へ

 格言その1【仕事場は、上司の笑顔で、居心地よし】

 上司が絶えず厳しい表情を浮かべている職場。そこには、周囲の人間が「なんだか、ここにいるだけで疲れてしまうな」といったネガティブなイメージを植え付けてしまうことに。その結果、部下は、仕事場=居心地が悪い(つらい)と思ってしまいます。お互いに慣れあいになってしまう関係ではなく、集中して業務を行うときは、集中する。しかし、日頃から上司が笑顔でいる多大なメリットを考え併せてみてください。

2、感謝の念を忘れない

 格言その2【ありがとう、感謝の言葉で、ハッピーに】

 上司が部下に対して「ありがとう」という感謝の言葉が少ないと離職率が高まる傾向があります。ちょっとした案件でも「助かった!」「頑張ってくれてありがとう」「よくやってくれた!」といった言葉をかけることで、部下が自分の居場所を実感できます。自分自身が受け入れられていると感じると、「社会的居場所」が生まれます。すると部下は、心にゆとりが生まれて「辞めたい」と感じにくくなる構図が完成するのです。

3、部下の意見に対応する

 格言その3【部下の声、貴重な提起へ、変換する】

 部下からの提案、意見、問題提起には、真摯(しんし)に対応することが大切です。勇気を伴って提案したかもしれない意見に対して、上司が聞く耳を持たないと部下は「自分の発言が影響していない」とモチベーションが下がります。例えば、部下から「今、○○という問題が起きているんですよ」や「先日の会議で、このような議案が上がりました」とか、「○◯の件。どうなっていますか?」と話しかけられた時に、きっちり取り組んでいるでしょうか? 上司が、これらを真剣に取り組む背中を部下が見て、「自分は会社の役に立っているんだ」「上司に喜んでもらえた」と、自己肯定感が生まれるのです。

4、支援する

 格言その4【励ましと、応援こそが、基本の基】

 経験が浅い部下は、上司から励まされ、応援される行為で安心感を得られます。「自分がやっている業務が有効なのか?その先には、何を行えばいいのか?」など、部下は、常に不安にさらされて悩んでいるかもしれません。上司に相談できる社員であれば、対応してあげることで解決の道が開けますが、自分の殻に閉じこもる性格の部下であるなら、随所にタイミングを見計らって、「よくやってくれているね。信頼しているよ」「何かサポートできることがあれば、声を掛けてね」と、励まし&応援を行ってください。

5、惜しみなく称賛しよう

 格言その5【人間は、褒められ伸びる、習性あり】

 上司からすると「若手の部下は、褒めるところがないよ」と思いがちですが、そこはぐっとこらえて、よいところを見いだして、少しでもいいので部下を称賛しましょう。すると自己有用感が感じられ、「すごいね!」と、たとえ一言伝えるだけでも「この人の役に立っているんだ」という気持ちが高まります。とはいえ、部下の行動全てが称賛に値せず、未熟さが目立つかもしれません。その場合は、「ここを○○するともっと良くなるよ」「次回は、ここを頑張ってみようか」などと、前向きな声掛けを行ってみてください。

6、気持ちをくみ取る

 格言その6【会話では、雰囲気や間を見て、先回り】

 ビジネスシーンにおいて、「ロジックで説明できないと相手に伝わらない」と考える経営者がほとんどです。ところが、部下とのコミュニケーションでは、相手が発する言葉の温度感や雰囲気をくみ取るセンスを発揮してください。経験の浅い部下からは、言葉が足りない形で報告を受ける場合もあることでしょう。そんな時、「実際は大変すぎると思っているんじゃないの?」「どうやったら課題解決できるか、一緒に考えようよ」「目標達成、ちょっと難しいと思ってるんじゃない?」などと、部下の気持ちを肌感覚的な言葉を掛けながら、本音を引き出すことが効果的です。

7、共有しよう

 格言その7【ccを、駆使して、心も共有化】

 ビジネスメールでcc機能があるように、部下と上司の関係の上で重要なポイントは、「共有すること」です。直接的にすぐに関係がないからといって、仕事の背景や進行状況を伝えていないと、部下は「自分は疎外されている」「自分は必要とされていない」と、孤独感を感じてしまいます。最もいけない行為は、上司が勝手に考えたことを始めてしまうこと。何も聞いていない部下は、「辞めてください、と言われているのかな?」と誤解してしまう可能性も。そのため、社内で事細かく情報共有するシステムを作ることが大切となります。

著者プロフィール:清水康一朗 (シミズ コウイチロウ)

ラーニングエッジ株式会社代表取締役社長。「セミナーズ」の創始者。「社長の教養」主宰。「精神的にも経済的にも豊かな日本に向けて貢献したい」という思いから、業界最大級のポータルサイト「セミナーズ」を立ち上げ、経営教育の流通に尽力。これまでに、誰もが知る大企業から中小企業まで4万社以上の経営を支援した圧倒的な実績を誇る。

ギリシャ哲学、インド哲学、東洋思想などを探求し、西洋と東洋を融合した和魂洋才の経営哲学を確立。鮎川義介氏などの日本的経営の研究のみならず、アンソニーロビンズ日本事務局長、ブライアントレーシージャパン株式会社の代表取締役会長、ジェイエイブラハムジャパン株式会社の代表取締役会長、ドラッカー学会推進員などを歴任。

絆徳経営、「円形欲求モデル」「マーケティングαとβ」「タイムリバーサル」「W-PDCA」など数多くの経営理論を提唱し、日本人の経済教育、歴史教育、道徳教育をライフワークとして力を注いでいる。

世界トップクラスの外国人講師を招いたビジネスセミナーでは日本最大規模のイベントを行っている。


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