うまくいかなくて、ちょうどいいビジネス著者が語る、リーダーの仕事術

「やめたい」と思ったら、感謝することを、思い出そう。

» 2023年11月22日 07時03分 公開
[中谷彰宏ITmedia]

 この記事は「経営者JP」の企画協力を受けております。


ビジネス書の著者たちによる連載コーナー「ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術」バックナンバーへ。


「やめたい」と思ったら、感謝することを、思い出そう。

『うまくいかなくて、ちょうどいい。』(Amazon)

 「やめたい」と思うことがあります。

 部下にもあります。

 上司にも、あります。

 そう思った時が、チャンスです。

 「やめたい」と思ったら、やめてもいい。

 「やめてはいけない」と思っているから、しんどくなります。

 「やめることができない」と思っているからしんどくなります。

 その前に、感謝することを、思い出してみましょう。

 感謝することを思い出した後で、やめるかどうか、もう一度考えてみる。

 それからでも、遅くはありません。

 「やめたい」と思っていいのです。

 「やめたい」と思う時は、忘れていた感謝を思い出すチャンスでもあります。

あの人は、悪意があるのではない。知らないだけだ。

 むっとする部下がいます。

 むっとする上司がいます。

 むっとするお客さんがいます。

 むっとするサービスマンがいます。

 むっとするのは、理由があります。

 相手の言動に、悪意を感じるからです。

 あなたに嫌なことをする人は、悪意があるのではありません。

 悪意があると思うと、むっとします。

 嫌なことをするのは、ただ、ちょっと無知なだけです。

 わざとではなく、知らないだけなのです。

 無知だと考えると、イラッとせずにすみます。

イラッとすると、疲れる。笑うと、疲れが取れる。

 イラッとすると、疲れます。

 疲れると、ますます、良いアイデアが出なくなります。

 いいアイデアが出ないと、考え方が後ろ向きになります。

 「なんで、こうなんだ」と、ますますイライラします。

 イラッとするのが、一番エネルギーをムダに消耗します。

 エネルギーのムダ遣いは、二重遭難です。

 イラッとしなくてもいいのです。

 エネルギーの回復方法は、笑うことです。

 笑うことで、エネルギーを取り返すことができます。

 同じ状況で、イラッとすることも、笑うこともできます。

 コントのシチュエーションは、イラッとする状況です。

 「これは、コントのネタだな」

 と考えることで、笑い飛ばすことができます。

こちらには、事情がある。相手にも、事情がある。

 「こっちにも、事情があるんだ」と、つい怒鳴りたくなります。

 きっとそれは、相手も思っています。

 事情は、すべての人にあります。

 おたがい事情があると気づ付けば、チャラになります。

 こっちにだけ事情があって、相手にはないと考えると、しんどくなります。

 こっちは、精一杯です。

 相手も、精一杯です。

 お互い精一杯です。

 「こっちには、事情があるんだ」と怒鳴るかわりに、

 「そっちにも、事情があるんだ」と怒鳴ってみましょう。

 必死なのは、自分だけではありません。

 相手は、いい加減なのではありません。

 相手も、必死なのです。

他人に感じるストレスは、自分に対するストレスだ。あの人の前に、自分を許そう。

 反りがあわない人がいます。

 性格が正反対なのではありません。

 正反対な人には、ストレスをそもそも感じません。

 自分と似ている人に、ストレスを感じます。

 「あの人のココが嫌い」という時、それは「自分に似ている部分」です。

 自分を許せないので、あの人を許せないのです。

 もっとも自分を疲れさせているのは、あの人ではありません。

 自分を許せない自分自身なのです。

 相手を許す前に、自分を許してあげることです。

 許すとは、「それはそれで、かわいい」と感じることです。

ガッカリするのは、期待が大きすぎたから。期待しすぎないと、ガッカリしない。

 ほぼ99%まとまりかけた話が、ポシャることがあります。

 その時のショックは大きいです。

 「それなら最初から、断られたほうが、良かった」と感じてしまいます。

 本塁でタッチアウトになるのが、一番痛いです。

 「まだ、三振の方が、良かった」と感じます。

 がっかりするのは、期待していたからです。

 期待がなければ、がっかりもしません。

 期待するのは、いい。

 期待しすぎないことです。

 期待しすぎたのは、自分の側の勝手です。

 期待が大きいと、ガッカリも大きくなります。

 ワクワクしながら、同時に期待を持ちすぎないことも可能です。

 話がまとまりそうな時ほど、期待せずに、楽しみに待ちましょう。

著者プロフィール:中谷彰宏・作家

1959年、大阪府生まれ。早稲田大学第一文学部演劇科卒業。博報堂勤務を経て、独立。91年、株式会社中谷彰宏事務所を設立。

【中谷塾】を主宰。セミナー、ワークショップ、オンライン講座を行う。【中谷塾】の講師は、中谷彰宏本人。参加者に直接、語りかけ質問し、気づきを促す、全員参加の体験型講義。

著作は『うまくいかなくて、ちょうどいい。』(あさ出版)など、1100冊を超す。


Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

ITmedia エグゼクティブのご案内

「ITmedia エグゼクティブは、上場企業および上場相当企業の課長職以上を対象とした無料の会員制サービスを中心に、経営者やリーダー層向けにさまざまな情報を発信しています。
入会いただくとメールマガジンの購読、経営に役立つ旬なテーマで開催しているセミナー、勉強会にも参加いただけます。
ぜひこの機会にお申し込みください。
入会希望の方は必要事項を記入の上申請ください。審査の上登録させていただきます。
【入会条件】上場企業および上場相当企業の課長職以上

アドバイザリーボード

根来龍之

早稲田大学商学学術院教授

根来龍之

小尾敏夫

早稲田大学大学院国際情報通信研究科教授

小尾敏夫

郡山史郎

株式会社CEAFOM 代表取締役社長

郡山史郎

西野弘

株式会社プロシード 代表取締役

西野弘

森田正隆

明治学院大学 経済学部准教授

森田正隆