私たちは10万人以上のビジネスパーソンを改善しており、事前に睡眠テストを行なっているが、ここ数年20代と50代の睡眠不調がかなり増加している。
この記事は「経営者JP」の企画協力を受けております。
ビジネス書の著者たちによる連載コーナー「ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術」バックナンバーへ。
近年、日本は睡眠不調で生産性を下げている、メンタル不調を増やしているということが話題になってきました。そういった流れもあり、企業は残業を減らしたり職場の環境を改善していて政府目標に限りなく近づく改善に成功しています。
ところが反対に働く人の睡眠不調の割合は全体の18.4%から22.6%へと悪化してしまっているのです。
これは企業が仕事時間を減らす努力をしても、その分睡眠や健康を充実させる時間に充ててくれないことを示す衝撃的なデータです。
私たちは10万人以上のビジネスパーソンを改善しており、事前に睡眠テストを行なっているのですが、ここ数年20代と50代の睡眠不調がかなり増加しています。
20代の睡眠不調は主に「リズム障害」で夜型にシフトして朝起きられないというタイプです。朝にパフォーマンスが上がらず、夜になってエンジンがかかるという学生時代の習慣が社会人の生活パターンに移行しきれなかったために起こります。
ただこのような20代の夜型化はきっかけと少しの工夫で短期間に改善することが多いのでそれほどサポートは大変ではありません。
ところが反対に50代の睡眠不調は「老化」が主原因ということもあり、ほとんどの人が以前に比べて睡眠不調を感じるようになります。
中でも最も分かりやすいのが「夜のトイレ」です。40代で10人に4人以上、50代になると10人に6人以上が夜中にトイレのために1回以上起きています。
夜中にトイレに起きてしまうということは、かなり眠りが浅くなっているので確実に睡眠の質は下がっています。
4、50代は会社でも重要なポジションだったり、リーダーであることが多いのですが、そういったポジションの人が睡眠不調だとチームに大きなマイナスの影響を与えることが分かっています。
睡眠不調である当人の仕事の生産性や判断力の低下が起こるだけでなく、チームの士気やエンゲージメントの低下に最も影響するとの研究結果もあります。
先ほど50代の10人に6人が夜中にトイレで1回以上起きていると伝えました。
この事実から50代の睡眠不調は夜のトイレを対策すれば、かなりの改善を見込めるとも言えます。実際に50代に夜のトイレ対策をして、夜中に起きなくなると睡眠スコアは改善します。
夜のトイレ対策は実はとても簡単でかつ効果が出やすいのです。多少なりとも改善行動を起こした人の80%以上が「夜のトイレに起きる回数が明確に減った」と回答します。
実はなぜ50代になると夜のトイレで起きてしまうのかと言うと、下半身に水分がたまってしまうからです。
下半身にたまった水分が横になることで膀胱に戻り尿意をもよおしてしまうのです。ですから寝る前に下半身に水がたまらないようにすることが基本になります。
対策は3つあって
1、寝る1時間前には水分を摂らない
2、下半身の水分を足をブラブラさせて上げる
3、お腹を温める(腹巻きをする)
これら3つは1つ実行するだけでも効果を感じますが、複数行えばほとんどの人が夜のトイレの回数が激減します。
中高年のリーダーで、夜のトイレに起きている人は、自分のためにもチームのメンバーのためにもぜひ夜のトイレ対策をしてみてくださいね
スリープコーチ Lifree株式会社 共同創業者
NTTドコモ、サイバーエージェント、損保ジャパンなどの大手企業をはじめ、計120社、累計10万人の睡眠改善をサポートしてきた上級睡眠健康指導士、日本睡眠学会学会員、日本サウナ学会研究員。
都市工学を専攻し、都市開発で当時最先端であった神戸市役所に入局。役所勤め時代に体作りに目覚め、当時珍しかったパーソナルトレーナーをつけ、自分に合った理論的なトレーニングの有効性を実感。あらゆる有名トレーナーのメソッドを研究する。
役所を退職後、トレーナーとして独立。わずか3カ月でキャンセル待ちのスタジオに。半年でスタッフを増員して移転拡大し、2年で4店舗と、このジャンルで関西トップクラスになる。神戸と大阪のトレーニングスタジオを経営しながら、自らもトレーナーとして関西・関東のスタジオや企業で指導を行うエグゼクティブ専門のパーソナルトレーナーとして活躍。
これまで主に企業向けに「運動」「食事」「睡眠」の改善サポートを行なってきたが、食事や運動の改善とは比較にならないほど、「睡眠の改善」がメンタルやコンディションの回復につながることに気付き、睡眠改善に特化する活動にシフト。
認知行動療法や心理学をベースにした独自の睡眠改善メソッドによるサポートを行っており、1回のセミナー参加で不眠症レベルの受講者の約70%が「正常範囲」まで改善。4週間の睡眠改善プログラムにおいては90%以上が「正常範囲」まで改善している。「人は、強制されても生活行動は変わらない」をモットーに、楽しく自ら自分を変えたくなるようなサポートを追求している。
著書は『働くあなたの快眠地図』(フォレスト出版)、『働く50代の快眠法則』(フォレスト出版出版)その他2冊累計4冊。
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早稲田大学商学学術院教授
早稲田大学大学院国際情報通信研究科教授
株式会社CEAFOM 代表取締役社長
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明治学院大学 経済学部准教授