プライベートな時間を充実させて生産性もアップ! 同じ時間でより多くの成果を生む日々の過ごし方とはビジネス著者が語る、リーダーの仕事術(2/2 ページ)

» 2024年06月13日 07時08分 公開
[名郷根修ITmedia]
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 「予備の日」は、自分で設定しつつもついつい目前の業務に捉われて細かい仕事を入れたりしがちですが、実際には時間の使い方を変えるために最も重要な日となります。顧客のために行うすべての仕事は「集中の日」と考えてしまいがちですが、必ずしもそうではありません。あなたがユニークアビリティを発揮するけれども、顧客がそれに直接的に対価を払わない仕事がこの日の活動になります。

 この「予備の日」には、第1段階として、メールやメッセージ、電話のやりとり、社内資料などの内容確認や承認など、ビジネスを円滑に運営するために必須なルーティンの仕事をします。第2段階は、自分のユニークアビリティに該当しない仕事を人に任せるための引き継ぎにも時間を行います。第1段階で行っていたルーティンの仕事を、アシスタントに任せてしまうのもお勧めです。

 そして第3段階として、新しい能力を身につける活動を行います。これには、新しい知識やスキルを学ぶ、新たなコラボレーションや戦略的提携を行う、新しいテクノロジーを活用するといったことも含まれます。段階が進むにつれて、1つ前の段階で費やす時間を減らしていくことができ、そうして減らした時間を、「集中の日」や「自由の日」の時間に割り当てることができます。

「自由の日」には自分が本当にやりたいことをする

 そして最後の「自由の日」には、仕事を一切せず、創造性を高めたり心身を活性化したりすることに使います。この日は、「自分が本当に生きたい人生を生きたか?」という観点からは、3種類の日の中で最も重要な日です。

 そのため「10x」では、先に「自由の日」を設定し、そして残りの日を「集中の日」と「予備の日」に割り当てます。そうすることで、仕事に使える時間が限られていることを認識できます。時間が有限だと分かるからこそ、時間をいかに効率的かつ効果的に使うかという意識にスイッチが入るのです。

 また、「自由の日」に心身を休めたり活性化できたりする時間を過ごせれば、休暇後にクリエイティビティと生産性が高い状態で仕事に注力できます。その結果、限られた時間の中で「集中の日」には収益を生み出す最重要の仕事に取り組み、「予備の日」には「集中の日」の生産性を高める活動に取り組めるようになるのです。

 とはいえ私の経験上、最初のうちは「自由の日」に仕事を一切しないで過ごすのは難しく、ついつい仕事のことが気になり、メールをチェックしてしまうこともありました。最初から全く仕事をしないで過ごすのが難しい場合は、徐々に休める時間を意識的に増やしてください。

 「自由の日」の過ごし方で勧めたいのは、仕事以外で自分が本当にやりたいことをすることです。私の場合は家族や友人と旅行をしたり、バーベキューやキャンプ、サーフィンなどをしたりしています。または本を読んだり、映画を観たり、美術館を訪れたり。これによって新しいアイデアやノウハウ、インスピレーションを得ることができ、普段会わない人と意見交換もできるので良い刺激となり、クリエイティビティを高められる効果があると感じています。

 逆にお勧めしないのは、心から満足できる活動をしないことです。例えばSNSをなんとなく眺めていたり、たまった家事をしなくてはならなかったり、人から頼まれた用事があったりして1日が終わってしまっては、心身を休めたり活性化したりする「自由の日」にはなりません。

 以前の私は、先述したように平日は毎日朝早くから夜遅くまで仕事をして、週末も仕事をする日々が続く生活を送っていました。それが「10x」の思考法に基づいた仕事法と生活を送るようになってからは、平日でも家族と一緒に夕食をとることができ、週末は自由な時間を過ごすことができるようになっています。

 もちろんそれだけではありません。「自由な日」で心身をリフレッシュさせたことで、仕事では生産性が高まり、「10x」の目的である「10倍の成果を出しながら自由な時間を増やす」を継続することができています。

 私が「10x」に出会って、自分が望むようなライフスタイルに変わり、仕事でも大きな成果を出すことができたように、みなさんも「10x」に基づいた働き方によって、仕事でも生活でも10倍豊かな人生を手に入れてほしいと心から思っています。

著者プロフィール:名郷根修(なごうね しゅう)

株式会社ハイパフォーマンス代表取締役。1978年岩手県生まれ。

Rotterdam School of Management, Erasmus University 経営学修士(MBA)。

米国戦略コンサルティングファーム、グローバル医療機器メーカー・フィリップスで勤務後、現在はグループ合計年商180億円の医療分野の会社・南部医理科とフィンガルリンクの経営に携わり、世界最先端の医療技術や製品の普及に努めている。

「伝説の戦略コーチ」として知られ、Strategic Coach社を創設したダン・サリヴァン氏に師事し、同社が提供している「10x Ambition Program」を卒業した唯一の日本人。会社経営者やエグゼクティブ、起業家を対象に、事業を10倍にしながら自由な時間を生み出す講座、仕事の生産性を上げることに特化したコーチングプログラムを提供している。


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