もう1つは、1日を3つに細分化する方法です。例えば、「午前中」「午後の前半」「午後の後半」といった具合です。「午前中は市場動向の調査」「午後の前半はA社訪問」「午後の後半は翌日の会議向け資料の作成」と決めて、それに集中するのです。こうすれば、1日で3つの仕事、案件を並行して進めることが可能になります。
まずは、細分化から始めましょう。そして、「今向き合うのは、目の前のこの仕事だけ」というルールを徹底させましょう。余計なことに気を取られずに、目の前の作業に集中する習慣を身に付けると、驚くほど作業がはかどり、生産性が飛躍的に高まります。
仕事の優先順位はすでに明確に分かっている。しかし、雑務に追われて、なかなか「本丸」の仕事に手が付けられない……。そんな人にお勧めしたいのは「劣後順位を付ける」習慣です。
劣後順位とは、「優先順位」の対義語です。「やらないことの順位を付ける」――この考え方をもとに、優先順位が下位の作業を選び出し、「やらない決断」をするのです。
やり方は至って簡単です。
まず、今日やるべき仕事を7〜8個程度書き出します。その中から、
「明日以降に回せる仕事はないか?」
「誰かにお願いできる仕事はないか?」
という視点で「今日やらなくてもいい仕事」を3つ以上ピックアップするのです。
「今日やる仕事を明日に延ばしてはいけないのではないか」「先延ばしにしたら終わらない仕事が山積するんじゃないか」などと生真面目に考える必要はありません。なぜなら、「スケジュールに余白をつくる練習」だからです。
まず、余白をつくる――。
その余白を「本当に大切なこと」で埋める――。
例えば、経費精算を明日以降に延ばしても問題がなければ、明日に延ばします。そして、経費精算にあてるはずだった30分を、「本当は必要なこと」に割りあてるのです。あなたにとって「企画書の作成に必要な情報収集」の優先順位が高いのであれば、その30分を企画の概要を考える時間に使います。
まずは「小さく入れ替えていく」ことが、とても重要です。この手順に慣れてきたら、「本当に大切なこと」から埋めていき、その他の時間を「今日どうしてもやらなければならないこと」で埋めていってください。
まっさらのスケジュールは、優先順位の高いものから書き込んでいきます。「企画書の作成」の優先順位が1位で、およそ5時間必要だと感じている場合は、「2時間/2時間/1時間」などでも構わないので、まず5時間をブロックしましょう。その上で、他の作業のスケジュールを入れていけばいいのです。
本書『効率・時間・スピード すごい習慣力』では、「行動科学マネジメント」に基づいた習慣化メソッドの中から、仕事の成果を上げるために特に有効な「7つの大きな習慣」で章を構成し、39個の具体的な習慣を紹介しています。
効率、時間、スピード……仕事の成果を上げるためのあらゆる要素がこの1冊で手に入ります。「すごい習慣」は「すごい才能」に勝ります。本書の簡単メソッドなら、3週間で習慣が定着して「成果が出て当たり前」の状態になります。ぜひ、3週間後の自分に期待しながら、本書を読み進めてみてください。
1984年 神奈川県鎌倉市出身
大学で行動変容理論を学ぶ。
人間の感情ではなく行動に焦点を当てた技法を専門とする。元は医療分野と教育分野で行動習慣の指導士として活動をしていた。今現在は、人材育成のコンサルティング会社で企業の管理監督者の方向けに研修を導入している。
年間の登壇数は120回以上。主要メーカーをはじめ保険業界や製薬業界までサービス業全般。代表書籍に「めんどくさがる自分を動かす技術」「めんどくさがる相手を動かす技術」「1%の素敵な人だけが実践しているなりたい自分になる方法」「今すぐ!集中力をつくる技術」最新書籍に「効率・時間・スピード すごい習慣力」が好評発売中である。オスカープロモーションに所属
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早稲田大学商学学術院教授
早稲田大学大学院国際情報通信研究科教授
株式会社CEAFOM 代表取締役社長
株式会社プロシード 代表取締役
明治学院大学 経済学部准教授