東京の街の“ローカルエキスパート”が、仕事の合間に一息つけるスポットやイベントを紹介します。
グルマンもうなる店内はカウンターのみ。一見、カジュアルな町中華のたたずまいながら、繊細で大胆な本格中華というギャップに誰もが驚くでしょう。それもそのはず、チャイニーズレストラン漢は、ミシュランの星を獲得したマンダリンオリエンタル東京の中華で経験を積んだオーナーシェフの藤井寛が独立して始めた一軒で、リュウが立ち上るような炎に向かい、その技をいかんなく発揮しているのです。
昼は食券販売機のあるラーメン屋仕様で、「クルミたっぷり濃厚坦々麺」(900円)などの麺のほか、炒飯、粥(かゆ)といったシンプルな定番メニューです。ハーフサイズ(500円)で2品を組み合わせたり、焼売、ニラ餃子などの点心が1個100円から追加できる自由度がうれしいポイントです。そしてデザートの杏仁豆腐(あんにんどうふ)は、一皿100円とは思えないほど滑らかで風味豊か。
夜になるとゆったりと飲みながら、本格中華をつまむ居酒屋感覚の店にがらりと変わります。「麻辣ハイボール」などのオリジナルドリンクや、中国の酒蔵から直輸入した紹興酒など、何度通っても飲み尽くせないほどバリエーションに富んでいます。
200〜350円の小皿料理をつまむ一人客、北京ダックに沸くカップル、単品を食べてさらりと帰る学生やサラリーマンなど、さまざまな客が訪れます。
スタイリッシュに盛り付けられた前菜の「7種の野菜プレート」(800円)には、珍しい中国野菜も含まれ、新鮮な驚きがあるでしょう。
もし迷ったら、3500円からの「趙雲コース」がおすすめです。これらのプレートや点心、中国野菜炒めや麻婆豆腐、香港海老ワンタンメンなどの人気メニューをバランスよく味わえます。コースには北京ダックが含まれた「張飛」(5000円)、エゾアワビや和牛ランプステーキなどを味わう「関羽」(8000円)などもあります。
慶応義塾大学を卒業した藤井寛はゆかりのある三田、田町で、その土地に愛される店でありたいと語ります。
豆板(トウバン)ジャンや馬来(マーラー)ジャンも手作りし、仕入れから仕込みまで妥協していません。そんな姿勢に地元のみならず、グルマンたちも共感し、2019年のオープン以来、多くの人が足しげく通う名店です。
その他、「町中華の気軽さで味わえるカウンターのみの名店、Chinese Restaurant 漢」では、さらに詳しい情報を紹介しているので、ぜひチェックしてみでください。
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明治学院大学 経済学部准教授