東京の街の“ローカルエキスパート”が、仕事の合間に一息つけるスポットやイベントを紹介します。
2020年12月12日、バルセロナにあるダンスクラブ、サラアポロには、かつて土曜夜に見られたような「普通の光景」がありました。事前にチケットを手に入れた500人もの人が、Renaldo & Clara、Mujeres、Marta Salicru、Unai Muguruzaのパフォーマンスを見るために来場。彼らはその日、会場で踊ることさえ許されていたのです。
地元の医療関係者との協力のもと、音楽フェスティバル「Primavera Sound」がイベントを開催。参加者全員が、事前に新型コロナウイルスの迅速抗原検査とPCR検査を受ける必要がありました。当然、会場内での手の消毒、マスクの着用は必須。また、「ライブミュージックの魅力を失うことなく、立って、踊って、飲んで、ほかの客と交流しながら、普通に安全なイベントを開催する」ために、訪れた人に連絡先のデータベースへの登録を呼びかけていました。
実はこのイベントは、無料ではありましたが、たとえチケットを手に入れていたとしても、入場できるかどうかは保証されていませんでした。前日に受けた検査の結果が陰性であった全ての参加者が、入場できるグループとできないグループの2グループに分けられ、科学者による完全な検証を行うため、このように無作為にグループが設定されたのです。
今回実験に参加した人たちへは12月20日にも最終検査を実施。全ての検査の受けた人には、次回のフェスティバルの1日券がプレゼントされます。
フェスティバルディレクターのパブロ・ソレールによると、この検証の目的は「適切な医療、感染防止対策のもとでは、このようなイベント活動が可能であることを証明すること」であり、当局の承認も受けているようです。
世界初の試みとなる「Primavera Sound」によるこの実験は、2021年にソーシャルディスタンスを緩めたライブやクラブイベントが復活できるかどうかを示すことになるでしょう。結果次第では、厳しい収容人数制限のため公演が開催できなかった小さいヴェニューが再開できる可能性も広げるはずです。さらにエキサイティングなことに、ダンスやモッシュなど、ライブミュージックを楽しむためのさまざまな要素も復活するかもしれません。良い結果が出ることを願いたいですね。
その他、『バルセロナで「密な」クラブイベントを社会実験』では、さらに詳しい情報を紹介しているので、ぜひチェックしてみてください。
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明治学院大学 経済学部准教授