繰り返しますが、「人と企業の関係性」が<企業が丸抱え>から<リリースモデル>に移行しています。コロナで一気に加速しました。
こういう自律していく人に、やりがいを感じてもらったり「この会社にいるべきだ」と思ってもらうには、そうとう明確に、強く、社外規範・社内規範を伝えなければなりません。
組織や業務がプロジェクト型化している中で、その時々のテーマやチームの役割に賛同しつつ特定のプロジェクトに参画し、、プロジェクトが終わった後は……。
実際は会社法や雇用上の問題から、日本においてはまだ一足飛びにはそうなりませんが、在り方としては1つのテーマをある時期みんなでやって、終わったら解散します。そして「次はどういうチームでやろうか」ということを考え、次のプロジェクトに参画していく、こうした方向感であることは間違いありません。
会社としては、そのプロジェクトが終わった時に、必ず「承認欲求」が満たされる仕組みを組み入れることも非常に重要です。
マズローの欲求5段階における最上位の「自己実現欲求」まである人は、正直そんなに多くないと松岡さんは指摘します。
「(「自己実現欲求」まである人は)経営者とか社会起業家と言われるような、ごく一部の人です。でも、多くの人は承認欲求までは必ず求める。逆に言うと、それだけですごく喜んでくれるんです。
やっぱり自分の居場所があって、自分がやったことが社内だけではなく顧客含めきちんと承認されると、すごくうれしいと。人間は社会とのつながりを求める生き物ですからね。だから承認欲求がきちんと満たされる仕組みがすごく重要になってきます」(松岡さん)
こうして企業・組織から自律していく人たちが、いま、どんどん増えています。そんな自律型人材に愛される組織を作ることこそ、これから企業が適切な人を集め、その場に留まらせてやる気を持って働いてくれて、付加価値を生み出してくれるための必要最低条件となるのです。
株式会社経営者JP 代表取締役社長・CEOに
早稲田大学政治経済学部卒業後、リクルート入社。人材コンサルティング会社に転職、取締役就任。その後、現リクルートエグゼクティブエージェントのマネージングディレクターを経て、2010年に経営者JPを設立。2万名超の経営人材と対面してきた経験から、経営人材の採用・転職支援などを提供している。2021年、経営人材度を客観指標で明らかにするオリジナルのアセスメント「経営者力診断」をリリース。また、著書には、『社長になる人の条件』『ずるいマネジメント』他。「日本経済新聞」「朝日新聞」「読売新聞」「産経新聞」「日経産業新聞」「週刊東洋経済」「週刊現代」「プレジデント」フジテレビ「ホンマでっか?!TV」「WBS」その他メディア出演多数。
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早稲田大学商学学術院教授
早稲田大学大学院国際情報通信研究科教授
株式会社CEAFOM 代表取締役社長
株式会社プロシード 代表取締役
明治学院大学 経済学部准教授