東京の街の“ローカルエキスパート”が、仕事の合間に一息つけるスポットやイベントを紹介します。
みそ、しょうゆと並び、昔ながらの素朴な味わいで根強い人気の塩ラーメン。最近では、ラーメン店の競争の加熱もあってか、各店が個性を発揮し、具材や麺など、細部にまで店主のこだわりが詰まった一杯が多く見受けられます。今回は、そのなかでも都内最高峰の塩ラーメン3店を紹介します。
新宿の路地裏にひっそりと店を構えるラーメン屋「ソバハウス金色不如帰(こんじきほととぎす)」。2019年1月に、ミシュラン掲載店に仲間入りを果たし、世界で3軒目の1つ星を獲得しました。
ここで食べてほしいラーメンは、「真鯛と蛤の塩そば」(1000円)です。スープのベースには、2種類の塩(モンゴル岩塩と沖縄海塩)を使用しており、塩の旨味が、ハマグリとマダイの甘みを見事に引き立てています。イタリア産の白トリュフオイルや、ポルチーニ茸を煮込んだソースなど、こだわりの材料を加えて完成する一杯は、味全体に深みがあり、最後の一滴まで夢中になって平らげてしまう美味しさです。
店内には、カウンター7席しかないため、外まで続く行列に並ぶ覚悟は必至。しかし、待つだけの価値は十分にあるでしょう。
次に紹介するのは、麺や金時。西武池袋線江古田駅より徒歩7分ほど、赤い看板が目印のカウンター7席の店舗です。提供しているのは「塩らぁ麺」、「醤油」、「汁なし担担麺」。「塩らぁ麺」はミシュランにも掲載されるほどの看板メニューとなっています。国産鶏の挽肉のみで出汁をとったスープは透明度の高い清湯系。鶏の香ばしい旨みが詰まったバターのようなコクがあり、ヒマラヤ岩塩の塩味と混ざりあいます。
少しもちもちした食感の細麺との相性も良いです。醤油の染み込んだ味玉、店内で手作りされている鶏モモスモーク、低温調理のムネ肉チャーシュー、柔らかい食感のメンマなど、丁寧な具材も光ります。全体的にシンプルな作りでありながら、鶏の旨味がいきた奥深い一杯です。
スープを2度楽しみたいなら、麺処 銀笹がおすすめ。新橋にある、日本料理店出身の主人がこだわりのラーメンを提供する店です。オススメは「銀笹ラーメン」と「銀笹つけ麺」。鶏ガラ、豚骨と日高昆布、煮干し、宗太節、サバ節を合わせたスープに、塩ダレ、鶏油、香味油があいまった味は、繊細で奥深い味を生み出します。また、〆に食べてほしいのがサイドメニューの「鯛飯」。
最初はそのまま食べ、その後にラーメンのスープを注ぐと、鯛茶漬けとして楽しめます。和を感じられる絶品ラーメンと鯛飯を堪能しましょう。
「東京、塩ラーメン20選」では、さらにラーメン店を紹介しています。是非チェックしてみてください。
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明治学院大学 経済学部准教授