自分でやり遂げるには自信がない。そう思い悩んで立ち止まっていても状況は好転しません。そんな時、「自分でやること」と「他人に任せる、他人の知恵を借りること」にtodoリストの項目を仕分けしてみるとどうでしょうか? 100%自分がやらないといけないことばかりではないはずです。これにより、やるべきことの総量を圧縮することが可能になります。または、自分でできないことがあっても、他人の力や知恵を借りることで難題をスピーディーに乗り切ることもできます。
いくら市場調査をしても、事業計画を周到に作ってみても、実際の顧客の反応が見えません。そんな時、「60%の完成度でスタートさせるもの」と「100%の完成度で万全を期すもの」に仕分けしてみるとどうでしょうか? 例えば経理処理や契約関連など常に100%の完成度が必要ですが、新商品や営業戦略などは60%でスタートさせ、顧客からフィードバックをもらいながら完成度を高めていきます。
これにより、スピーディーに顧客の求める商品や営業戦略にブラッシュアップも可能になります。結局は、「まずやってみる」というスタンスを持たなければ、成果が出るのかどうか分からないことが多いのです。全てのことに全力を尽くすことは大事ですが、100%の完成度ばかり追求せずに、「仕分け」により成果に直結する道をシンプルに考えることが肝心です。
先に、優れたリーダーとはシンプルに考えられる人、もっと言えばシンプルにするために「仕分け」ができる人であると話しました。最後に、「仕分け」をすることの価値を整理しておきましょう。
「仕分け」の本質的な価値とは、「問題を最少化すること」にありと覚えておいて下さい。
私たちは情報洪水や選択肢の増加に日々直面しています。また、問題が発生した時に、選択肢が頭の中でグルグルと周り、思考の堂々巡りを起こします。そんな時、「仕分け」によって、複数の選択肢や大きな問題を小さく分解していけば、高いハードルも低くすることができます。
成果が出ないとすれば、それは問題を大きく捉えたままで、本質が見えない状態だからです。思考をシンプルにするためには、「仕分け」によって問題を小さくすることから始めることをお勧めします。スイカを食べる際に丸かじりせず、切って仕分けてから食べるように、全ては「仕分け」から始めてみてください。
思考の整理家。株式会社コンパス代表取締役として経営コンサルタント業を営む。大学卒業後、25歳で起業するが金なし・コネなし・学歴なしの状態で苦境に。独自の思考の整理術を身につけ、クライアントと自身の業績が飛躍したことからメソッドを体系化。「決断力と行動力が飛躍的に上がる」とのクチコミが広がり、現在ではベンチャー企業から一部上場企業まで100社以上のコンサルティング実績、また思考の整理術に関する講演では1万人以上の受講者がいる。著書に『問題解決のためのセパレート思考』(フォレスト出版)、『1分で頭の中を片づける技術』(あさ出版)などある。
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早稲田大学商学学術院教授
早稲田大学大学院国際情報通信研究科教授
株式会社CEAFOM 代表取締役社長
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明治学院大学 経済学部准教授