70年大阪万博を聴くタイムアウト東京のオススメ

東京の街の“ローカルエキスパート”が、仕事の合間に一息つけるスポットやイベントを紹介します。

» 2020年02月04日 07時04分 公開

 2020年。何かと取り沙汰されることの多い年であるがゆえに、「2020」という文字面にすでに食傷気味の向きもあるでしょう。しかし、この年は1970年の日本万国博覧会(大阪万博)から50周年のメモリアルイヤーでもあります。寺田倉庫が文化事業を展開する天王洲エリアにあるT-ART HALLでは、万博50周年を記念した「大阪万博50周年記念展覧会」を2020年2月15日(土)から24日(月)まで開催します。同展に関連して、地上波のバラエティー番組では知名度が低いらしいDOMMUNEが、例によって興味深い番組を放送するとのことで注目が集まっています。

 天王洲の展覧会では、万博当時の様子を記録した貴重な資料のほか、西野達、蓮沼執太、そしてDOMMUNEを主宰する宇川直宏ら、万博から影響を受けたというクリエーターによる作品も展示します。実際の大阪万博にも展示された作品としては、岡本太郎による「マスク」、およびフランソワ・バシェによる音響彫刻「勝原フォーン」(復元)が登場。点数こそ少ないですが、これらの作品を起点に万博を振り返ることが同展の醍醐味となりそうです。

 そこで興味深いのが、冒頭でも触れたDOMMUNEのプログラムです。アーカイブ作成にも力を注いできた大阪万博ではありますが、現存する約19万点もの資料全てをデジタル化できているわけではないといいます。今回の展覧会開催に当たり、DOMMUNE代表の宇川と音楽評論家の西耕一が音源リストを精査したところ、未デジタル化の貴重な資料がいくつも見つかったそうです。武満をはじめ、黛敏郎や秋山邦晴、松下真一、高橋悠治など、錚々(そうそう)たるメンバーが参加していた大阪万博だけに、昭和の現代音楽フリークの西らがどのような資料に注目したのか楽しみにしたいところです。

 DOMMUNEの開催は2月7日と16日の2回開催。7日は、新たに生まれ変わった渋谷パルコにできたSUPER DOMMUNEを会場に、宇川と西のほか、映画監督の樋口真嗣、樋口尚文に加えて、大阪万博の参加アーティストでもある一柳慧が登壇します。フルクサスなど、音楽以外のジャンルのアーティストとも交流の深かった一柳は、万博では「テーマ館」や「お祭り広場」「タカラ館」「ワコール・リッカーミシン館」など、数多くのパビリオンに携わっていたので、生々しい裏話が多数飛び出ることが期待されます。16日には美術評論家の黒瀬陽平を迎え、天王洲のT-LOTUSMにて開催。2日間を通して、貴重な音資料のどれほどが再生されるかは不明ですが、登壇者のトークも併せて大いに期待が高まります。

 詳しくは「70年大阪万博の貴重な音資料をDOMMUNE LIVEで公開」にて、紹介しています。もっと70年大阪万博を振り返りたいなら、ぜひチェックしてみてください。

著者プロフィール:タイムアウト東京 編集部

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