確かにビジネスは面白い。しかし、それと同等以上に政治やまちづくりはエキサイティングで、やりがいに満ちている。
この記事は「経営者JP」の企画協力を受けております。
ビジネス書の著者たちによる連載コーナー「ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術」バックナンバーへ。
この度、リクルートOB10人の執筆による『議員という仕事リクルートOBのすごいまちづくり』を編集・刊行しました。
好評だった前2作「リクルートOBのすごいまちづくり」「リクルートOBのすごいまちづくり2」は、民間の立場で地方創生に汗を流しているリクルートOBの取組みやノウハウをまとめた書籍ですが、本作はビジネスを卒業し、地方議員になって奮闘している9人と副市長になって活躍した1人の実話です。
確かにビジネスは面白いです。でも、それと同等以上に政治やまちづくりはエキサイティングで、やりがいに満ちています。
法律や条例をつくり、社会を前に進めるドライバーとなるのが政治の醍醐味(だいごみ)。
ビジネス最前線の人ならルールメーカーが重要なのは百も承知のはず。そのルールメークするのがまさしく政治の仕事です。
国政を見ていて嫌になることが多いですよね。
与党じゃないと権限が無いし、与党でも派閥の力学でコトが決まるし、そのためには違う意見も飲み込まないといけないから結局まぁるい無難な政策しか出てこない。国政は議院内閣制なので、与党政党が内閣を組み、執行するのでそうなってしまいますが、実は地方議会はちょっと違います。
地方議会は二元代表制なので、立法府を構成する議員と、行政の長をそれぞれ住民の直接選挙で選ぶ制度で、議院内閣制とは対照的な概念です。二元代表制では、議員は法律や予算などを審議・決定する権限を持ちますが、執行は知事や市長が責任をもつため、立法権と行政権の分離を徹底できる利点があるのです。例えるなら、市長は執行役員社長、地方議員と議会は取締役のような存在、議会は取締役会であり、株主総会なのです。150万人都市なら予算1兆7000億円の具体的な使途を何にどう使うかを決め、住民福祉の向上を目指していくわけです。この仕事が面白くないわけがありません。
本書で紹介した横内市議が選挙費用15万円で当選したように、やり方や費用はさまざま。準備期間も数カ月という短期組もいます。要するに、ビジネスで培ったスキルやノウハウを駆使すれば、恐るるに足らず。意外とエントリーが少なく、参入の仕方がブラックボックスになっているので、ライバルが少ないのが現実なのです。
とはいえ、家族の反対や身辺整理など乗り越えなければならない壁も存在しますが。
帯の推薦文で、 Jリーグ第5代チェアマンの村井満さんはこう書いています。
「不人気職種ランキング最下位級の「議員」。しかし、その仕事の実態や選挙のやり方を意外と僕らは知らない。なぜ、彼らはそんな議員にわざわざなったのか、何が彼女たちを熱くするのか、その本音を多くの人に知ってもらいたい」
そうなんです。元リクルートの皆さんが高給を捨ててまで、なぜ議員というキャリアを選んだのか? 本書を読んでもらえれば、その真実が分かると思います。
官民連携の必要性が声高に叫ばれていますが、ビジネスリーダーの政界入りがこれからの政治を変えていくキーファクターであることは間違いありません。
2023年の統一地方選挙まで、十分時間はあります。
自身のセカンドキャリアとして、一緒に働くパートナーとして、一度考えてもらえるとうれしいです。
かもめ地域創生研究所 理事、地域政党サミット 顧問
リクルート、福岡ドーム(現PayPayドーム)、メディアファクトリーを経て、アイ・エム・ジェイの代表取締役に就任し株式上場。その後、広島県や京都府の特別職参与として企画した「おしい! 広島県!」や「もうひとつの京都」がショートショート・フィルムフェスティバル&アジア観光映像大賞(観光庁長官賞)を2度受賞。現在、CAP代表取締役、かもめ地域創生研究所理事、地域政党サミット顧問。
著書は「地域再生7つの視点」「おしい! 広島県〜広島県庁の戦略的広報とは何か?〜」「人口減少時代の都市ビジョン」「リクルートOBのすごいまちづくり」「仕事を楽しむ整える力〜人生を自由に面白くする37の方程式〜」「公務員のための情報発信戦」など。
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早稲田大学商学学術院教授
早稲田大学大学院国際情報通信研究科教授
株式会社CEAFOM 代表取締役社長
株式会社プロシード 代表取締役
明治学院大学 経済学部准教授