会社人生「55歳の壁」突破策〜セカンドキャリアとしての起業〜ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術(2/2 ページ)

» 2023年09月14日 07時07分 公開
[大塚 寿ITmedia]
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 見込み客が「あなたから買いたい」「あなたと一緒に仕事がしたい」と思うにはどう処せばいいのか、何をすればいいのか、ここを徹底的に掘り下げましょう。

 そして一番大事なことですが、「その自信がない」と思う必要はまったくありません。

 なぜなら、相手の期待値にかなうか、かなわないかを判断するのは相手であって、あなたではないので、あなたが自信を持っていようが、自信がなかろうが関係がないからです。

 「自信がない」というのは、行動を起こす絶好のブレーキ役になってしまうので、単なる弊害にしかなりません。

 どうせ、やってみなければ分からないし、評価するのは相手なのですから、ここは根拠のない自信を持って進めるくらいでちょうどいいのです。

諸先輩のケーススタディ

 起業といっても、開店も含めますし、1人起業ではなくなってしまうかもしれませんが、事業承継でビジネスや店を買うとかフランチャイズに加入する手もあります。

 ある商社の早期定年制に応募した50人の中でも、何人かはマイクロ起業を果たしました。

 ちなみに、

  • 社労士の資格を取って事務所を開業
  • 人材紹介業を開業
  • お好み焼き屋開店
  • カフェ開店
  • 焼き鳥屋開店
  • 地元に戻って飲食店開店

 といったところです。

 今でいうところのプライム上場企業ですが、お店を開店した人も数名いました。

 ただ、飲食店の2年後生存率、3年後生存率はそれぞれ50%、30%ですので、正直、推奨しづらいものがあります。「待ち」の商売になってしまいますし。

 また、起業とは異なりますが、パラレルキャリア(複数の仕事を行う)であれば、生活費を賄いつつ、同時に夢や自己実現を追いかけることが可能になりますので、シニアには特におススメです。

 ちなみにミラノコレクション、パリコレクションで活躍したモデルの樅木(もみのき)英介さんは、今まさに50代半ばですが、現在は出身地の熊本に戻って日々農業に精を出す傍ら、ナショナルブランドのCMにも度々出演しています。

 農業とモデルの兼業ということで「百姓モデル」と自ら名乗っています。モデルの中でも欧州のプレステージブランドの「モデル」と「百姓」という180度異なる組み合わせのインパクトには脱帽です。

最後に

 起業や開店となると「失敗したらどうしよう」というリスクや不安をまずは考えてしまうものですが、今やネット社会ですから、身の丈のスモールスタートで試行錯誤していくやり方であれば、何度でもチャレンジできます。

 なので「一発勝負」は避けて、何度か失敗を繰り返す中で軌道に乗せるプランを準備するのがいいかもしれません。

 どうかあなたのこれからの人生が、運をも引きつけ、これまで以上にイキイキしたものになることを願ってやみません。さあ、元気を出していきましょう!

著者プロフィール:大塚寿(おおつかひさし)

1962年、群馬県生まれ。株式会社リクルートを経て、サンダーバード国際経営大学院でMBA取得。現在、オーダーメイド型企業研修を展開するエマメイコーポレーション代表取締役。「営業サプリ」監修者。

サボるのが大好きだった当然の報いとして高校・大学・就職とも第1志望に入れず、悶々とした日々を過ごす。ゼミの先輩の勧めからリクルートに入社後、上司、先輩、全事業部の仕事のできる先輩、社外の大手・中小企業の経営者、管理職に片っ端からアドバイスを求める。そこで仕事ができるようになる方法や競争力のあるキャリアデザイン、さらに「後悔しない方法」を聞き実践した結果、人生が好転、自己実現を果たす。インタビューは今も継続中で、人数は1万人を超える。歴史上の成功者や偉人よりも、身近な人の成功、失敗から学ぶことの合理性を痛感している。著書にシリーズ28万部のベストセラー『40代を後悔しない50のリスト』(ダイヤモンド社)、『50歳からは、「これ」しかやらない』(PHP研究所)、『<営業サプリ式>大塚寿の「売れる営業力」養成講座』(日本実業出版社)など多数。

2023年秋オンライン研修「営業サプリ」から『アカウントマネジメントコース』リリース。


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