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» 2019年11月21日 07時40分 公開

50代で退職したらどうなる? 辞めてはいけない4タイプビジネス著者が語る、リーダーの仕事術(2/2 ページ)

[前川孝雄,ITmedia]
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 50代からの転職は往々にして前職より規模の小さな企業で働くことになります。大企業から中小企業に転職すれば自ずと幅広い仕事を担うことが求められますし、独立起業すれば、あらゆる仕事を自分一人でこなす覚悟が必要です。変化の時代には、新たな状況や環境の中で貪欲に学ぶ姿勢が不可欠なのです。その準備ができていない早期退職はリスクが大きいのです。

その3、根拠なく楽観する人

 大企業で一定のポストに就き、高い収入を得ているミドルには、自分にそれだけの社会的価値があるというプライドがあります。そのために、自分の市場価値や相場をしっかり調べることもせず、根拠なき楽観主義に陥いる場合があります。

 「大手の管理職経験者の自分なら中小企業の仕事など簡単に務まるはず」「転職先の年収は、ぜいたくは言わずとも700万位は欲しい」など。しかし、そもそも大企業の管理職世代が得ている高額の年収は、初任給や若手時代の給与が低く抑えられた分、後払いで高く支払われる年功序列型ゆえ、現時点での本人の能力に対する時価ではありません。

 日本の雇用者の4割は年収300万円以下であり、自分の転職後の市場価値を正しく見積もれば収入半減以下の可能性もあるのです。さらに言えば、セカンドライフで実際にどれだけのお金が必要なのか、現実的な生活レベルの見直しも必要でしょう。その準備も覚悟もない人は、辞めてはいけません。

その4、自分を客観視できない人

 「上司が自分を正当に評価しない」との理由で退職を考える人は少なくないものです。上司への不満や上司と折り合わない悩みは、多くの組織人に共通します。確かに中には理不尽な上司もいるでしょう。しかし、上司への不満ばかりを語り、感情的な行動に走る人は、往々にして自分を客観視できていない傾向があります。

 自己評価と上司からの評価が違う場合、客観的には上司評価の妥当性が高い場合が多いものです。特に大企業の評価システムでは、上司は個人的感情だけで部下を評価できず、多面評価や人事部門からの情報も踏まえている場合も多いでしょう。自己評価は主観的で高めなのに対して、低く感じられる他者評価のほうが実像に近いものなのです。

 そもそも上司からの評価が低く関係が良くないのなら、それをいかに改善、解消するかこそが、キャリア自律したプロフェッショナルに求められる力です。上司との人間関係を理由に転職しても、また同じことを繰り返します。起業し自営業に転じたら「顧客が評価してくれない」とこぼしても、はじまりません。それを改善し、価値を提供するのが仕事なのです。そうした冷静な判断ができないうちに辞めるのは危険です。

 著書『50歳からの逆転キャリア戦略 「定年=リタリア」ではない時代の一番いい働き方、辞め方』(2019年11月19日発行、PHP研究所)では、以上の4つタイプの他に3つのタイプも詳しく解説しています。そのうえで、50歳からの20〜30年を生き生きと生き抜く具体的な事例を紹介し、自分のキャリア戦略をオリジナルワークシートでシミュレーションして考えられるように構成しています。人生100年時代。キャリアの後半戦に後悔したくない方はもちろん、前向きにもう一勝負したい方はぜひご一読頂ければと思います。

著者プロフィール:前川孝雄

FeelWorks 代表取締役 青山学院大学兼任講師

1966 年、兵庫県明石市生まれ。大阪府立大学、早稲田大学ビジネススクール卒。リクルートで『リクナビ』『就職ジャーナル』などの編集長を務めたのち、2008 年にFeelWorks 設立。「日本の上司を元気にする」をビジョンに掲げ、「上司力研修」「50 代からの働き方研修」などで400 社以上を支援。2017 年に?働きがい創造研究所設立。一般社団法人企業研究会研究協力委員、ウーマンエンパワー賛同企業審査員なども兼職。独立直後には、「700 通のあいさつ状を送るも反応ゼロ」「仕事の依頼がなく近所の公園で途方に暮れる」といった挫折を味わう。そこから立ち直った経験から、近年はミドルの転職・独立・定年後のキャリアの悩み相談に乗る機会も多い。著書は、『上司の9割は部下の成長に無関心─「人が育つ現場」を取り戻す処方箋』(PHPビジネス新書)、『「働きがいあふれる」チームのつくり方』(ベスト新書)、『「仕事を続けられる人」と「仕事を失う人」の習慣』(明日香出版社)、『もう転職はさせない! 一生働きたい職場のつくり方』(実業之日本社)など多数。最新刊は『50歳からの逆転キャリア戦略「定年=リタイヤ」ではない時代の一番いい働き方・辞め方』(2019年11月19日発行、PHP研究所)


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