(1)彼は、何かを強調する時は、画面に向かって顔を近づけて、顔をドアップにして迫って話していた。それがすごいエネルギーと感じた!
→「Web会議でこんなことは今までしていなかった。けど、今度やってみたらいいかもしれない!」と気付いた
(2)彼は、視聴者が身近に感じられるように、意図的に、丁寧語ではなく、「タメ口」で話していた。
→「仕事での講演の局面でも、ここぞという時は、意図的に「タメ口」にして親近感を覚えてもらう、というのもいいかもしれない!」と気づいた
という気付きがあり、その翌日の講演で試してみたら、これが大成功でした。
その講演を成功させたことを振り返ってみて、さらに得た気付きは、「人に何かを伝えて動いてもらうためには、顔の動かし方一つ、語尾一つから、自分の意思に基づき、人に動いてもらう方向に向けて、やれることを全部やることが大事だ!」となるわけです。
そういうプロセス、回転を繰り返して、人は成長していきます。
(1)言語化し、
(2)それが自分にとってどういう意味があるか考え、
(3)気付き、
(4)(気付きに基づき)行動する
これだけです。これ、日記で1、または1〜4まで書けば、この「振り返って気づいて行動する」プロセスを毎日、回すことができるわけです。
このように、毎日毎日そうした小さな気付きを得て、行動して、また振り返る、ということを繰り返します。そして、時々、1週間に1回とか、1カ月に1回とか、その期間全体を振り返ってみて、改めて気付きを得ます。これを「中振り返り」と呼んでいます。
そして、例えば1年に1回、この1年でいろいろな行動をしたことを振り返り、そこからの気付きを得ます。これを私は「大振り返り」と呼んでいます。多くの皆さんがやる「1年の振り返り」がまさにこれですね。こうすれば、1年の振り返りも大きな意味が生まれますが、こういうプロセスを経ないで、いきなり1年ぶりに、年始に立てた「1年の計」をひっぱり出してきても、「何もできていない!」ということになりがちです。
個人を成長させるための行動として述べてきましたが、マネジメントにおいても全く同じことが言えます。チームメンバーを育成する時も、日々振り返りをして気付きを得てもらう。そして1週間に1回、1on1ミーティングでさらに気付きを得てもらう。それが、半年や1年の振り返りと気付き、すなわち、その方の人事評価や、キャリアメイクにつながっていくのです。
マネジメントの仕事は、「チームをゴールに導くために、何でもすること」です。ゴールに向かって強いチームにするためには、当然ながら、チームの一人一人が成長することが大事です。そのためにどうするか、といえば、やっぱりこのプロセスを、日常の仕事の中でいかにマネージャーが回すことができるか、が大事になってくるのです。
このように、個人としても、マネジメントにおいても、行動する→言語化する→So What?→Aha!→また行動するが成長のサイクルになります。このサイクルを回しながら、大きな成果に結び付けていきましょう!
日本興業銀行、プラスを経て2015年4月ヤフーに転じ、Yahoo!アカデミア学長、Zアカデミア学長としてヤフー、Zホールディングス全体の次世代リーダー開発を行う。また株式会社ウェイウェイ代表、グロービス経営大学院客員教授として、広く講演、リーダー開発、プレゼン指導などを行う。2021年4月より武蔵野大学アントレプレナーシップ学部(武蔵野EMC)学部長就任予定。代表作「1分で話せ」。2021年1月「1行書くだけ日記」上梓。
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早稲田大学商学学術院教授
早稲田大学大学院国際情報通信研究科教授
株式会社CEAFOM 代表取締役社長
株式会社プロシード 代表取締役
明治学院大学 経済学部准教授