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» 2022年09月05日 07時00分 公開

Z世代を科学する:RB Profilerを用いたZ世代のビジュアライゼーション(2/2 ページ)

[藤後順己ITmedia]
Roland Berger
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1、ソーシャルアクティブ層

ソーシャルアクティブ層

 TwitterやInstagramなどのSNSを最も使いこなす、Z世代に代表的な層の一つが「ソーシャルアクティブ層」である。Z世代に25%程度存在し、都市部に多いセグメントである。

 友人や仲間をとても大事にするほか、はやりのモノやコトに対しても敏感な傾向にあるのは、2〜3日経てばバズる(話題になる)コンテンツが激変するSNS上において、自分自身を表現・発信できるこの層ならではの特徴ではないか。

 普段の消費行動としては、Instagramを中心に、ブランドの公式アカウントや、インフルエンサー(※SNS上で影響力の大きい人物。タレントだけでなく一般人も多い)の投稿やライブ配信に影響され、つい購入してしまうことも多い。

 ブランドマネジメントにおいてソーシャルアクティブ層を狙う際は、オンライン媒体でいかに接点を設けられるかが鍵となる。

2、自分らしさ追求層

自分らしさ追求層

 ソーシャルアクティブ層と並んで多い層が「自分らしさ追求層」である。Z世代の中でも20代など比較的年齢層が高く、都市部・地方部を問わず存在する。

 最も特徴的なのは、地球環境や倫理感に対しての問題意識が強いことだ。サステナビリティに配慮したブランドを選んだり、オーガニックへの関心度も高かったりする。自然環境だけでなく、世界的な流行となった#MeTooムーブメントに賛同するなど、人権意識も高い。

 また、普段の消費時には品質や安心感も重要視するため、「良いものを長く使う」のが得意といえる。このようなサステナビリティに関心の高い層は欧米同様に国内でも増えていくだろうし、本気度も増してくると思われる。この層を取り込むには、環境・人権保護に取り組んでいるように見せかけるグリーンウォッシュな企業・ブランドと思われないよう、より真摯な対応が求められる。

3、保守的リアリスト層

保守的リアリスト層

 「保守的リアリスト層」はZ世代に約15%存在するセグメントで、昔から認められているモノやサービス、ブランドを好む傾向にある。

 例えば、普及の比較的早かったInstagramやTwitterの利用率は76%・64%と高いが、最近人気のあるTikTokではわずか17%にとどまる。前述のソーシャルアクティブ層や自分らしさ追求層の半分以下である。

 消費行動では、価格やコストパフォーマンスを最も重要視するが、生まれてほとんど好景気を経験したことのない世代ならではの特徴ともいえる。

4、没入ギーク層

没入ギーク層

 自分の好きなことにはとことん熱中するなど、オタク気質のあるZ世代が「没入ギーク層」である。Z世代に約15%存在するが、価値観としては先進的・効率的であることを非常に好む傾向にある。

 例えば、洋服をそろえる際には、ユニクロなどを中心とした低価格帯のファッションで済ませることが多い。最新のスマホやガジェットに精通している人、アニメやマンガのオタクなども含まれる。効率性を念頭に置いた購買傾向が多く、この層を刺していくには「購入によるメリット」を端的に分かりやすく伝えることが求められる。

5、好奇心旺盛層

好奇心旺盛層

 「好奇心旺盛層」はZ世代に5〜10%程度存在するセグメントで、比較的女性に多い傾向にある。斬新であることを好み、楽しくてスリルのあることに真っ先に飛び込むのが大きな特徴。実際に、他の層では約3割弱にとどまるTikTokの利用率は55%に及ぶ。

 また、好みのファッションスタイルを確立できている人が90%以上を占めるなど、自分の好き嫌いが比較的はっきりしているのもこの層の特徴といえる。ブランドマネジメントとしては、今までにないプロダクトやサービスであることを強調し、斬新さをアピールすることで、彼らの好奇心をいかにくすぐれるかが攻略の鍵となる。

6、フォロワー層

フォロワー層

 世の中の流行や動きに関して関心が薄いのが「フォロワー層」の特徴である。フォロワー層は、従来では国内消費者の半分を占めていたものの縮小を続けており、Z世代においても10%弱にとどまる。この10%の中には価値観が今後定まっていく10代も多く含まれるため、フォロワー層が消失に向かう日は近いと思われる。

 消費行動におけるこだわりが少ないのが大きな特徴。実際、男性の44%、女性の32%が好きなファッションスタイルを持ち合わせていない。また、この層の2割弱がLINEを含むSNSを一切使用していないというのも特筆すべき点である。

Z世代を“刺す”には

 一括りにZ世代といっても、さまざまな価値観を持った消費者がいるということをご覧いただけただろうか。5〜10年後に彼らは国内消費の中核となることを鑑みると、2030年代に生き残っていく上で、Z世代を解像度高く理解することは必要条件である。

 Z世代を企業・ブランドとして“刺す”には、このような多様なセグメントのなかで、どの層に焦点を合わせて価値訴求を行っていくか、そして最適な打ち手は何であるのかを今一度明確にしておくことが不可欠ではないか。

 今後は、どのようなプレイヤーがZ世代へ効果的にアプローチできているか、具体的な先行事例をもってご紹介したい。

著者プロフィール

藤後順己(Junki Tougo)

ローランド・ベルガー シニアコンサルタント / 東京オフィス

東京大学工学部建築学科卒業後、ローランド・ベルガーに参画。

アパレル・ジュエリーなど消費財領域を中心にブランド戦略・立ち上げ、D2C、サステナビリティ戦略など幅広い機能軸でプロジェクト経験を有する。


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