東京の街の“ローカルエキスパート”が、仕事の合間に一息つけるスポットやイベントを紹介します。
1000円で最高級のラーメンや、ミシュランレベルの料理が味わえる東京では、高級店が常に魅力的とは限りません。しかし、いま注目されている高級レストランの記事などを目にしたときに、話題に取り残されるのも嫌だし、行ってみたいと思う人もいるでしょう。
初めて行く高級レストランで間違いなく、かつ満足度の高い料理を楽しむには、まずはランチがおすすめ。ランチコースは、ディナーに比べて一般的に品数が少なく、価格もかなり安いです。ですが、一流の高級店はランチだからといって、味やサービスに妥協はしたくありません。
ここでは、1万円以下でランチコースを提供する店を紹介します。
南青山にあるネモ。その日に獲れた魚を漁港から店へと直送し、届いた魚介類は、オーナーの根本憲一の手によってフランス料理にインスパイアされたコース料理へと姿を変えます。
取材時のコースの一品目は、頭から尾まで食べられるアユの炭火焼き。ネギと海苔のさっぱりとしたソースと新鮮な野菜が添えられ、仕上げにオリーブオイルがかけられています。
コースの中盤で出されたカンパチは焼き加減が絶妙で、皮はパリッと黄金色に、身はほんのりと赤みが差すミディアムレアに仕上がっていました。その周りにはソテーされたアンズダケや、さいの目切りのトマト、バジルソースが添えられています。支配人兼ソムリエの寺島唯斗がこの料理にペアリングしてくれたのは、透明感のある「ソーヴィニヨン・ブラン」で、地中海を思わせる完璧な組み合わせでした。
昼の6品コースは9075円(サービス料・税込み)。評価が高まっている店舗なので、予約が取れる間に行くのがおすすめです。
次に紹介するのは、2022年にオープンしたティン ガナ。お洒落な内装は、キッチンのカウンタートップのオリーブグリーン色と、背の高い花瓶に生けられた花がアクセントになっており、使われる器もエレガントかつビビッドなデザインです。
シェフのジェローム・キルボフ(Jerome Quilbeuf)が手掛けるレストランの中で最もハイクラスであり、スペイン料理をモダンに解釈した料理を提供。キルボフによればティン ガナは「バルセロナのガストロバル」をイメージしているとのことですが、同シェフによる広尾のカジュアルな「グラシア」とは違い、フォーマルな雰囲気があります。
ランチコースは6500円、9000円、1万5000円で、ディナーは1万2000円と1万9000円です。
そして、中目黒の路地にひっそりと立っている宇田津 鮨は、ミニマルなデザインが洗練された輝きを放ち、ヒノキのカウンターとアート作品が空間を彩る寿司屋。
大将の宇田津久から出されるお寿司は、ジュレが乗せられた「イシダイの握り」、「マスと香草の海苔巻き」など。こだわりのシャリには東京・国立の農家に専用に作ってもらった米を使い、3種類を独自にブレンドした酢を合わせています。使用する食材は、「豊洲市場」で選び抜いた新鮮な魚介類や、広島県の「梶谷農園」から仕入れた完全無農薬のハーブなど、最高級品ばかりです。
ディナーは2万2000円からとラグジュアリーですが、ランチのおまかせコースは8800円から味わえます。
「1万円以下で楽しめる高級店のランチ7選」では、さらに多くのレストランを紹介しています。是非チェックしてください。
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明治学院大学 経済学部准教授