人々を説得するためには、自分の提案をシンプルで理解しやすい形で説明しなければなりません。専門用語や複雑な議論は避けましょう。基本に忠実になり、プレゼンテーションは手短にすることが大切です。また、大量の統計や事実、情報のリストなどで聞き手を圧倒してはいけません。聞き手を混乱させようという攻撃者に対抗するには、彼らの質問に対し率直で聡明な答えを返して下さい。しかし、いちいち彼らに反論することに夢中になってはいけません。
真剣に取り組み、質問を決して避けないことで脅し作戦や中傷をかわして下さい。話を中断させようとしたり、横道に逸らそうとされても、冷静に議論の主要テーマに集中して下さい。もし要点から逸れてしまえば、聞き手の気も逸れてしまいます。注目してくれない人を説得することはできません。
時として新しい提案を説明するためには、多くの資料が必要と考えられる向きがありますが、退屈な提案は、理解者を減らしてしまうことにつながるという警告です。言葉をきちんと選択すれば、端的でも説得力あるプレゼンテーションを繰り広げることは可能です。
聞き手に共感してもらい、自分の考え方に賛同してもらうためには、中傷する人や疑り深い人に対し敬意を持って対応する必要があります。例えば、もし、あなたの提案を行う権威を疑問視されても、その質問者に対し個人攻撃をすることで対応してはいけません。もしその質問者を厳しく非難すれば、聞き手はあなたの事を「不適格あるいは不公平」だと見なし、その結果、アイディアが採択されることは無くなってしまうかもしれません。
反対に、どのような攻撃をされても敬意を持って対応すれば、勝利を手にすることができます。さまざまな意識的および無意識的な攻撃をしてくるのは、常に普通の一般人であることを忘れないでください。深呼吸し、感情をコントロールし、攻撃者の意見に感謝し、自分の提案を再び主張して下さい。攻撃されている最中、頭の切れた冷静な状態でいることができれば、聞き手はあなたを尊敬し、ひいてはアイディアを尊重することにつながります。
攻撃者こそ、丁寧な説明を持って扱わなければならないことに、意外性と不思議さを感じる部分があるかもしれません。仮に敵意を持って向けられた意見でも、それに対して丁寧に答えることによって疑問が解消し、アイディアの価値が上がれば、反論する余地はなくなるという期待も上がります。
この本の詳細
ジョンP・コッターは、ハーバードビジネススクール松下幸之助記念講座名誉教授であり、リーダーシップ論を担当しています。リーダーシップおよび変革に関する著書があります。ロルネA・ホワイトヘッドはブリティッシュ・コロンビア大学の教育イノベーションのリーダーです。
経営コンサルタント(ビジネスモデルコンサルタント・セールスコピーライター)。経営コンサルタントとして、上場企業から個人プロフェッショナルまで、420社以上(1400案件以上)の企業経営を支援。特に集客モデルの構築とビジネスモデルプロデュースを得意とする。またセールスコピーライターという肩書も持ち、そのライティングスキルを生かしたマーケティング施策は、多くの企業を「高収益企業」へと変貌させてきた。
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早稲田大学商学学術院教授
早稲田大学大学院国際情報通信研究科教授
株式会社CEAFOM 代表取締役社長
株式会社プロシード 代表取締役
明治学院大学 経済学部准教授