東京の街の“ローカルエキスパート”が、仕事の合間に一息つけるスポットやイベントを紹介します。
映画を見るとなれば、やはり館内設備の整った大型シネコンの大スクリーンで、デジタル上映される作品を鑑賞する人がほとんどではないでしょうか。最新の音響設備が整った劇場で、ポップコーンを片手に超大作を鑑賞するのは何ものにも変えられません。
とはいえ、東京都内にはそうしたシネコンにはない魅力のある古きよき名画座がまだまだ残っているのも事実です。中にはつい先日、2月14日に残念ながら閉館してしまった三軒茶屋劇場や、今春で閉館が決定している劇場もあります。
ですが、こうした劇場でついつい見逃してしまった準新作映画や古典的名作を割安で鑑賞するのも楽しいものです。シネコンの新しいシートと違って、ちょっとへたってしまったような、きしんで音をたてる座席にもどこか味があります。もちろん、設備の古さが目立つところもありますが、1本鑑賞を終えてからいったん外出して、ちょっと腹ごしらえしてからもう1本鑑賞したりと、気ままに過ごせるのもこうした名画座の魅力です。今日は、都内で愛される名画座3軒を紹介したいと思います。
まずは、銀座唯一の名画座として愛され続ける「銀座シネパトス」です。三原橋地下街にある1967年に開業した映画館ですが、耐久性の問題で地下街全体の取り壊しが決定しているため、この映画館でフィルム上映を楽しむことができるのもあとわずかとなってしまいました。
次に、紹介したいのが高田馬場にある「早稲田松竹映画劇場」です。1951年の創立と東京都内でも古いのですが、邦画からハリウッド作品、さまざまな言語の映画が全作品35mmフィルムで上映されています。外出証を発行してもらうと、途中外出できるというおおらかさも魅力的な劇場です。
最後に、池袋にある「新文芸坐」を紹介します。東口近くにあるこの劇場は、266席と比較的大きい劇場で、2本立て上映が中心ですが、土曜日にはオールナイト上映も行っています。上映作品にちなんだトークショーや、新文芸坐落語会といったイベントも精力的に開催していたり、シニア向けに上映スケジュールを郵送するなどのサービスも魅力です。
たまの休日にぶらりと名画座へ足を運んでみるのはいかがでしょうか。
タイムアウトバジェット:1300円〜(劇場や上映作品によって変更する場合があります)
他にも東京都内の名画座を紹介しています。
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明治学院大学 経済学部准教授