出世する人は聞き上手である。仕事でつきあいのある会社の社長は、すべて聞き上手である。人の話を聞いているから、コミュニケーションもうまくなる。人の話を聞いていない人は、質疑応答がずれてしまう。
例えば、「今日の天気はどうなんだ?」と聞かれたときに、分からなければ「すみません。調べてませんでした」と正直に答える方が良い。しかし「明日は晴れるみたいです」など、的のずれた応答をする人は多い。
こうした人の話はおもしろくないし、往々にして出世もできない。おもしろい人のテクニックとしては、相手に合わせて話し方を変えることが必要である。相手が話したいのか、こちらに話してほしいのかを見きわめることも重要だ。
「それって疲れませんか?」と聞かれることもある。しかし考えてみてほしい。野球でも打者に合わせて、ピッチャーは攻め方を変えるのである。コミュニケーションもこれと同じだ。
また「野呂さんって好きなことやって給料もらえて楽しそうですね」と言われることもある。しかし大きな間違いである。仕事で1度も好きなことをしたことはない。予算も決まっているし、キャスティングも決まっている中で、最高の結果を求められる。
常に相手が喜ぶこと、望むことを考えなければならない。好かれる人間に徹することもポイントのひとつ。相手を満足させることが必要であることから、常に相手を主語にして話をしている。
ボクは雇われた人間なので、1時間がんばります、自分の役割に徹しますという態度で臨んでいる。これにより、「あいつは言うことを聞くから次も仕事を頼もう」ということになる。
そういわれても自分は話が下手だという人は、差し入れをしてみてはいかがだろうか。決して高価なものである必要はない。ボクは、お土産用の「ガリガリ君」を1週間で200本買ったことがある。安くてもケタ違いの量のお土産には、人を和ませる力がある。そしてアイスは溶けてしまうので、みんなすぐにほおばりなんとなく笑顔になるのだ。
外資系証券会社の打ち合わせに遅れたので「水ようかん」を買っていくと、外国人から説明を求められ、「Japanese Water ようかん」と説明して大爆笑されたこともある。この打ち合わせは、「Good Job」で終了した。
また、ある会議には、蝶ネクタイで行って和ませたこともある。「頭が良い」「仕事をさせたい」と思わせることだ。自己PRのポイントを明確にすることが重要になる。
恋愛におけるおもしろい人になりたければ、いまなら「アナと雪の女王」を褒めることだ。とりあえず、流行ものには飛びつくことである。
さらにおもしろい人と思われたければ、タイタニックを興行収入で抜いた、観客動員数1700万人、松たか子と神田沙也加の歌が良い、もう一度みたい、CGとは思えない、姉妹愛をうまく描いている、さすがディズニーと言えばよい。
これだけの情報があれば、実際には映画を見ていなくても話をあわせられる。実は、ボクも見ていない(笑)。忙しすぎて、見に行くヒマなどないのが実情である。
そのほかの恋愛テクニックとして、無意味に花を買って理由を説明する、誕生日以外の日にプレゼントをする、半年後の誕生日祝いをする、Facebookで好きなものを調べておくことも効果が期待できる。
ただしストーカーになってないことをときどき確認することが必要だ。エッチな話をしてもセクハラにならないキャラクター作りも重要になる。ボクは、どうしたらもてるかではなく、もてる人のマネをする。「LEON」を買って、パンツェッタ・ジローラモを目指している。もちろん無理は承知の上だ(笑)。
SNSでおもしろい人になるためには、エピソードは常に忘れる前にアップすることだ。アップできない場合はメモしておく。ボクは、毎日20個程度のネタを持っている。ルールとしては、怒らず、不満を書かない、書いてすっきりするのではなく、読み手の気分を考えること。あくまでも情報発信者に徹することが大事。
最後に、これだけは覚えておいてほしい。知っていても知らないふりで相手を立てる。相手7割、自分3割の聞き上手になる。直接会う。失敗談を持っておく。ずぶ濡れ、雪だるまになる。嘘をつかなければならないときには、相手に笑ってもらえる嘘をつく。
もっとも大切なのは「仕事」も「恋愛」も一緒で、モテることが何よりも大事だ。そのとき、一番なのは「またあの人に逢いたい」と思わせることである。
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早稲田大学商学学術院教授
早稲田大学大学院国際情報通信研究科教授
株式会社CEAFOM 代表取締役社長
株式会社プロシード 代表取締役
明治学院大学 経済学部准教授