連載
» 2016年09月29日 07時29分 公開

なぜ、ビジョンは浸透しないのか?――日本の組織で起こる「10のビジョン問題」ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術(2/2 ページ)

[荻阪哲雄,ITmedia]
前のページへ 1|2       

 そして、各ステージの根底には、第10の問題「信頼の壁」がある。上司と部下の間において、または、部門間で、安心してものが言えて聞ける信頼関係がないことを意味している。この職場の不信感が根底にあることで、リーダーのビジョンが現場に伝わらないのだ。

 なぜ、経営ビジョンは、浸透しないのか?

 この「10のビジョン問題群」の循環構造があるからだ。循環なので、「創る段階」から「語る段階」へ入っても実態は進まず「創る段階」に逆戻りしているのが現実だ。(右の図を参照)

 読者の働く組織では、「10のビジョン問題」は、起こっていないだろうか? 

 まず読者は、この「診断の眼」を持つことが解決への出発点になる。なぜなら、10のビジョン問題は「問題だ!」と感じている人以外に解決はできないからである。

 著者は、この「10のビジョン問題」を、読者へ問題提起する。

 この日本の組織で起こる「10のビジョン問題」を解決するためにいかなる人物が必要になるのか?

 それを、一言で述べよう。「社員参謀!」と呼ばれる人物だ。

 これからの時代、人と組織をつくる社員参謀! が必要になってくる。では、この社員参謀とは、いかなる人物なのか?

 社員参謀は、3つの力量を備えた実践者である。

  • 第1の力量:新しいOD(組織開発)を学んでいる
  • 第2の力量:トップ・リーダーを補佐できる
  • 第3の力量:社員の実践を援助できる

 つまり、社員参謀とは、新しい組織開発を学び、トップリーダーを補佐して

社員の「実践の動き」を援助する実践者なのである。

 それが、社員参謀の定義だ。

 これまで、世界と日本の企業には、企業参謀、経営参謀、戦略参謀は存在した。しかし「社員の参謀」は、いなかった。社員参謀は、日本の「10のビジョン問題」を解決へ導く「実践の参謀」なのである。

著者プロフィール:荻阪哲雄(おぎさか てつお)

多摩大学 経営情報学部 客員教授。株式会社 チェンジ・アーティスト 代表取締役。

東京生まれ。多摩大学大学院 経営情報学研究科修士課程修了(MBA取得)。

警視庁、ベンチャー企業勤務の後、1994年、組織風土改革コンサルティングファームスコラ・コンサルトの創業期に参画。同パートナーを経て、2007年 独立。20年間、1万人以上のリーダーを支援する中で編み出した、組織開発のビジョン実践手法「バインディング・アプローチ」を提唱して、チェンジ・アーティストを創業。人と組織をつくる「ツボ」と「コツ」をわかりやすく教えることに定評がある。2016年、多摩大学 客員教授に就任。「ビジョン・マネジメント論」を開講。

著者に、最新刊の「社員参謀!−人と組織をつくる実践スト−リ−(日本経済新聞出版社)」「リーダーの言葉が届かない10の理由(日本経済新聞出版社)」「結束力の強化書(ダイヤモンド社)」などがある。


前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

ITmedia エグゼクティブのご案内

「ITmedia エグゼクティブは、上場企業および上場相当企業の課長職以上を対象とした無料の会員制サービスを中心に、経営者やリーダー層向けにさまざまな情報を発信しています。
入会いただくとメールマガジンの購読、経営に役立つ旬なテーマで開催しているセミナー、勉強会にも参加いただけます。
ぜひこの機会にお申し込みください。
入会希望の方は必要事項を記入の上申請ください。審査の上登録させていただきます。
【入会条件】上場企業および上場相当企業の課長職以上

アドバイザリーボード

早稲田大学商学学術院教授

根来龍之

早稲田大学大学院国際情報通信研究科教授

小尾敏夫

株式会社CEAFOM 代表取締役社長

郡山史郎

株式会社プロシード 代表取締役

西野弘

明治学院大学 経済学部准教授

森田正隆