そして、各ステージの根底には、第10の問題「信頼の壁」がある。上司と部下の間において、または、部門間で、安心してものが言えて聞ける信頼関係がないことを意味している。この職場の不信感が根底にあることで、リーダーのビジョンが現場に伝わらないのだ。
なぜ、経営ビジョンは、浸透しないのか?
この「10のビジョン問題群」の循環構造があるからだ。循環なので、「創る段階」から「語る段階」へ入っても実態は進まず「創る段階」に逆戻りしているのが現実だ。(右の図を参照)
読者の働く組織では、「10のビジョン問題」は、起こっていないだろうか?
まず読者は、この「診断の眼」を持つことが解決への出発点になる。なぜなら、10のビジョン問題は「問題だ!」と感じている人以外に解決はできないからである。
著者は、この「10のビジョン問題」を、読者へ問題提起する。
この日本の組織で起こる「10のビジョン問題」を解決するためにいかなる人物が必要になるのか?
それを、一言で述べよう。「社員参謀!」と呼ばれる人物だ。
これからの時代、人と組織をつくる社員参謀! が必要になってくる。では、この社員参謀とは、いかなる人物なのか?
社員参謀は、3つの力量を備えた実践者である。
つまり、社員参謀とは、新しい組織開発を学び、トップリーダーを補佐して
社員の「実践の動き」を援助する実践者なのである。
それが、社員参謀の定義だ。
これまで、世界と日本の企業には、企業参謀、経営参謀、戦略参謀は存在した。しかし「社員の参謀」は、いなかった。社員参謀は、日本の「10のビジョン問題」を解決へ導く「実践の参謀」なのである。
多摩大学 経営情報学部 客員教授。株式会社 チェンジ・アーティスト 代表取締役。
東京生まれ。多摩大学大学院 経営情報学研究科修士課程修了(MBA取得)。
警視庁、ベンチャー企業勤務の後、1994年、組織風土改革コンサルティングファームスコラ・コンサルトの創業期に参画。同パートナーを経て、2007年 独立。20年間、1万人以上のリーダーを支援する中で編み出した、組織開発のビジョン実践手法「バインディング・アプローチ」を提唱して、チェンジ・アーティストを創業。人と組織をつくる「ツボ」と「コツ」をわかりやすく教えることに定評がある。2016年、多摩大学 客員教授に就任。「ビジョン・マネジメント論」を開講。
著者に、最新刊の「社員参謀!−人と組織をつくる実践スト−リ−(日本経済新聞出版社)」「リーダーの言葉が届かない10の理由(日本経済新聞出版社)」「結束力の強化書(ダイヤモンド社)」などがある。
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早稲田大学商学学術院教授
早稲田大学大学院国際情報通信研究科教授
株式会社CEAFOM 代表取締役社長
株式会社プロシード 代表取締役
明治学院大学 経済学部准教授