連載
» 2018年07月30日 08時26分 公開

視点:日本企業に必要な「自発的変革力」 (3/3)

[渡部 高士(ローランド・ベルガー),ITmedia]
Roland Berger
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 ローランド・ベルガー東京オフィスでは、未来構想センターを設立し、人口動態などのメガトレンドだけでなく、産業ごとにどのような変化を見込むべきか、テクノロジーやビジネスモデルの進化を捉え、そのシナリオを描く経験を多数有している。近年、未来構想センターとの協業により、未来からの逆算で目指すべき姿を描出し、中期経営計画へと落とし込む支援が増えてきている。その中で、他力の活用も視野に自社の事業モデルの変革にチャレンジする企業が増えている。(図E参照)

目指す姿実現のための他力の活用〜

(1)M&A活用

 新たな事業展開に当たり、不足するケイパビリティ、技術などをM&Aにより獲得することは、日本企業にとっても一般的になってきており、多くの企業が実践している。近年、モノ売りからコト売りへとビジネスモデルを転換する流れの中で、必要なケイパビリティをM&Aにより獲得する例が増えてきている。中でも、欧米において一定の事業基盤を有する企業を買収することで、現地証券へのアクセス獲得、また売り上げ成長の実現が可能となることから、実践する企業が飛躍的に増加している。弊社ではその前提となる目指す姿、成長戦略策定からご支援が可能である。(図F参照)

(2)ベンチャー企業の活用

 一方で、自社の保有する技術の新たな用途展開を切り口に、新たな成長領域を探索、立ち上げていくこともできる。弊社提携先であるアスタミューゼ株式会社との共同プロジェクトにおいては、自社の保有する特許、および類似特許がどのような用途で事業化されようとしているかを把握することによって、技術的親和性の高い新規領域を特定することも可能である。また、科研費、ベンチャーキャピタルの出資額、クラウドファンディングの実績に加え、世界中にネットワークしたPhD保有者のネットワークなどから、事業フェーズをある程度想定しながら事業化の検討ができる。(図G参照)

3、最後に

 構造改革を進めてきた日本企業が市況に恵まれている今、中長期の持続的な成長に向けて、自らが舵(かじ)を切り、資源を大きく配分する時期にあるのではないか。未来からの逆算で、貴社ならではの成長モデルを描き、実現すべくアクションが求められている。

著者プロフィール

渡部 高士(Takashi Watanabe)

ローランド・ベルガー パートナー

一橋大学商学部を卒業後、富士銀行、米国系戦略コンサルティング・ファーム、アマゾンジャパンを経て、ローランド・ベルガーに参画。米国マサチューセッツ工科大学スローン経営大学院卒業。

化学、電機業界を中心に金融、流通・小売業界向けにも事業モデルの変革支援及び中期経営計画策定支援のプロジェクト経験を豊富に持つ。


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