東京の街の“ローカルエキスパート”が、仕事の合間に一息つけるスポットやイベントを紹介します。
東京のお正月は、おせちを食べた後はNetflixざんまいではもったいないです。暇を持て余しそうなら、美術館巡りの計画を立ててみてはどうでしょうか。本記事では、2023年1月1日から都内で訪れることができる展覧会をご紹介します。
年中無休の森美術館では、3年に1度館外のゲストキュレーターと共に企画する展示「六本木クロッシング2022展:往来オーライ!」が2023年3月26日まで開催されています。 同展では日本の現代アートシーンを総覧する創造活動の「交差点」として、2004年以来多くのアーティストを紹介してきました。
今年は、1940〜1990年代生まれの日本のアーティスト22組が登場。コロナ禍を経て、変化した生活や環境など、2022年の今に浮かび上がる社会像をテーマに作品が展示されています。 青木野枝は、鉄と色ガラスを使って自然現象に想を得た大型立体作品を出展。市原えつこは、コロナ禍での生活環境の変化を起点に奇想天外な未来を志向します。
深いテーマをもつ作品群を鑑賞しながら、現代日本の「これから」について改めて考察を深める良い機会となるでしょう。
そして、新年から刺激を受けたいのなら、「ディーゼル アート ギャラリー(DIESEL ART GALLERY)」(1月1日は休館)で開催中の新鋭のクリエーター、JUN INAGAWAの個展「BORN IN THE MADNESS」へ。同アーティストは、ビリー・アイリッシュ(Billie Eilish)のツアー衣装のデザイン、オリジナルテレビアニメ「魔法少女マジカルデストロイヤーズ」の原案など、ボーダレスな活動が注目を集めています。
会場では、20点以上ものプライベート作品が展示、販売されています。ステッカーやポスターといったグッズ、同アニメ作品にちなんだイベントなど、多彩なコンテンツを楽しんでください。
現実や虚構の織り成す構造をテーマにした展覧会「『訪問者』 クリスチャン・ヒダカ&タケシ・ムラタ展」が「銀座メゾンエルメス フォーラム」(12月30日〜1月2日は休館)で開催中。参加アーティストは、クリスチャン・ヒダカ(Christian Hidaka)とタケシ・ムラタ(Takeshi Murata)の2人です。
「訪問者」とは、同じDNAを持ちながらも、日本を拠点とする「ジャパン・ローカル」とは違う視点からアプローチをしてくる彼らのことであり、またそこを訪れる私たちのことを意味します。
劇場や建築、西洋絵画史への強い関心を絵画で表現するヒダカは、パブロ・ピカソの「アルルカン」やルネサンス期のディテールを用い時空を超えた世界を描く作品を出展。グリッジ・アートの先駆者として知られるムラタは、最新の技術を使いメタ世界の中でバスケットボールをする「ラリー」という犬の映像作品を制作しました。
2人のアーティストが生み出す異次元のリアリティを鑑賞してみては。
また、『東京、正月に行ける展覧会12選』では、都内各地で開催されている展覧会を紹介しています。是非チェックしてください。
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明治学院大学 経済学部准教授