東京、3月から4月に行くべきアート展タイムアウト東京のオススメ

東京の街の“ローカルエキスパート”が、仕事の合間に一息つけるスポットやイベントを紹介します。

» 2024年03月19日 07時07分 公開

 東京の人気ギャラリーや美術館で開催するアート展を紹介します。3月から4月にかけては、ニッチを極めた「専用すぎる腕時計展」、春にぴったりな「四季連作屏風」が鑑賞できる木島櫻谷の展示など注目の展示が目白押しです。

「専用すぎる腕時計展」画像提供:セイコーウオッチ

 創業140年を超える世界的な時計メーカー「セイコーウオッチ」が、デザインの新たな可能性を提案するプロジェクト「power design project 2024」のプログラムとして、「専用すぎる腕時計展」を開催。

 「パンダ好き専用」「マスキングテープ好き専用」といった特定の分野を偏愛するユーザーをイメージしたものから、左右の腕のいずれに着用したかによって文字盤の見え方が異なる「両利き専用」、さらには「すき焼き専用」といったピンポイントなこだわりが込められたものまで、7つのテーマが楽しめます。突拍子もないようで、本当に商品化される未来があり得るかも? と、思わず考えてしまうユニークな作品の数々です。

 「専用すぎる腕時計展」は2024年3月31日(日)まで、ウィズ原宿で開催。

「遠距離現在」画像提供:国立新美術館

 次に紹介するのは、「遠距離現在 Universal / Remote」。3年に及んだコロナ禍のパンデミックをきっかけに、社会の在り方や暮らし、仕事などさまざまな事象を8人と1組の作家が手がけた現代美術作品を通して考察する企画展です。

 「Pan- の規模で拡大し続ける社会」と「リモート化する個人」という2つのテーマから展示は展開。前者では、人流を抑制するために国家権力が強化され、監視システムも容認されたにもかかわらず、加速度をつけて移動する経済資本や情報への問題意識を表現した作品群を紹介。井田大介の映像作品や、トレヴァー・パグレン(Trevor Paglen)の写真などを展示していています。

 後者では、オンラインで個人と個人が結びつき、家から出ずに国境を超えることが当たり前となった今、非接触を前提に遠隔化される個人の働き方や住まいについて表現した作品を展示。都市に存在する孤独を写真で表現したティナ・エングホフ(Tina Enghoff)や、ネットインフラを支える人々を写したチャ・ジェミンなどから考えていきます。

 「遠距離現在 Universal / Remote」は2024年6月3日(月)まで、国立新美術館で開催。

「ライトアップ木島櫻谷」画像提供:泉屋博古館東京

 日本画が好きなら、明治から昭和にかけて京都を拠点に活躍した木島櫻谷(このしま・おうこく)の企画展「ライトアップ木島櫻谷 ― 四季連作大屏風と沁みる『生写し』」も見逃せません。2024年3月16日(土)〜5月12日(日)、生前の櫻谷とゆかりの深かった住友家のコレクションを所蔵する「泉屋博古館東京」で開催。

 櫻谷の作品や資料の調査研究を継続して行い、見ごたえのある展示を定期的に開催している同館ですが、今回は名品「四季連作屏風」が全点公開されます。大正時代中期に大阪天王寺の茶臼山に建築された住友家本邸を飾るため、櫻谷に依頼されたもので、春の訪れにふさわしい華やかで美しい大作です。

 また、櫻谷といえば、叙情的な表情で、今にも動き出しそうな写実表現で描かれる動物の姿が魅力。その「生写し」表現の光る作品を、江戸時代中期京都で生まれた円山四条派の代表的な画家たちによる花鳥画表現と併せて紹介しています。

 「東京、3月から4月に行くべきアート展」では、さらに展示会を紹介しています。是非チェックしてください。

著者プロフィール:タイムアウト東京 編集部

タイムアウト東京は、ロンドンを中心に、ニューヨーク、上海、クアラルンプール、テルアビブ、アムステルダム、シドニーなど、世界108都市39カ国に広がるメディア、タイムアウトの東京版です。「本当に素晴らしいものは、世界のどこであれ誰であれ感動を与えてくれる」という考えの下、日本の優れたヒト、モノ、コト、コンテンツ、サービスを英語・日本語のバイリンガルで発信しています。


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