東京、11月から12月に行くべきアート展タイムアウト東京のオススメ

東京の街の“ローカルエキスパート”が、仕事の合間に一息つけるスポットやイベントを紹介します。

» 2023年11月14日 07時01分 公開

 東京の人気ギャラリーや美術館で開催するアート展を紹介します。11月から12月にかけては、国内美術館では約10年ぶりとなる、写真家・ホンマタカシの個展、江戸時代の春画約50点が鑑賞できる展示、キース・ヘリングの大規模個展など、芸術の秋を彩る注目の展示が目白押しです。

Photo: (c)Takashi Homma Courtesy of TARO NASU

 国内美術館での個展は約10年ぶりとなる、写真家・ホンマタカシの個展「即興 ホンマタカシ」が、恵比寿の「東京都写真美術館」で2024年1月21日(日)まで開催。本展の英語タイトル「Revolution 9」は、ビートルズがさまざまな音源をもとにコラージュのように制作した同名曲へのオマージュです。作品や展覧会自体に偶然性を取り入れることに関心がある、作家の今を表してもいます。

 本展は、建築物の一室をピンホールカメラに仕立て、世界各地の都市を撮影したシリーズ「THE NARCISSISTIC CITY」を中心に構成されています。葛飾北斎「富嶽三十六景」に着想を得て富士山を写したシリーズ「Thirty-Six Views of Mount Fuji」など、約60点を展示。

 同館1階ホールでは、初公開の新作「2019年の磯崎新」を含む映像作品を特集上映するほか、作家とゲストや担当学芸員とのトークなども開催しています。

 次に見逃せないのは、2023年10月に銀座にオープンした「ギャラリーアートハウス」の初展示企画です。「銀座の小さな春画展」を12月17日(日)まで開催。同館は老舗劇場「シネスイッチ銀座」が立ち上げたギャラリーです。春画をモチーフにした2本の映画「春画先生」と「春の画 SHUNGA」の公開を記念しています。おおらかな時代の空気感と、洒脱(しゃだつ)さやユーモアを兼ね備えた人気絵師たちの作品をたっぷり楽しめる貴重な機会です。

 監修は、東洋古美術の専門美術商「浦上蒼穹堂」の代表で、2013年に「ロンドン大英博物館」で行われた「春画展」のスポンサーを務めた浦上満。本展では、葛飾北斎の春画本「喜能会之故真通(きのえのこまつ)」をはじめ、喜多川歌麿、勝川春潮、歌川国芳、歌川国貞らが手がけた江戸時代の春画約50点が間近に鑑賞できます。

 なお、作品保護のため会期の前後期で展示が入れ替わります。入場は18歳以上のみとなっており、チケットは事前予約制です。

画像提供:キース・ヘリング展 アートをストリートへ

 海外アーティストの作品が観たいなら、「キース・ヘリング展 アートをストリートへ」です。キース・へリング(Keith Haring)は、「アートはみんなのために」という信念のもと、1980年代のニューヨークを中心に、地下鉄駅構内やストリートにアートを拡散させ、混沌(こんとん)とする社会へ強いメッセージを発信し続けました。作品に込められたメッセージは、今なお多くの人を魅了しています。

 「森アーツセンターギャラリー」を皮切りに全国へ巡回予定の本展は、活動初期のサブウェイ・ドローイングやトレードマークとなったモチーフによる作品「イコンズ」、彫刻、ポスター、晩年の大型作品まで約150点を展示。ヘリング作品のみを展示する世界で唯一の美術館、「中村キース・へリング美術館」が特別協力しています。

 また、度々来日していたへリングが日本で制作した貴重な作品や資料、当時の写真なども展示。31年という短い生涯で、アーティストとして活動したのはわずか10年ほどという、人生を駆け抜けていった彼の作品とともに辿ってみてはいかがでしょうか。

 「キース・ヘリング展 アートをストリートへ」は12月9日(土)から2024年2月25日(日)まで開催。

 「東京、11月から12月に行くべきアート展」では、さらにアートを紹介しています。是非チェックしてください。

著者プロフィール:タイムアウト東京 編集部

タイムアウト東京は、ロンドンを中心に、ニューヨーク、上海、クアラルンプール、テルアビブ、アムステルダム、シドニーなど、世界108都市39カ国に広がるメディア、タイムアウトの東京版です。「本当に素晴らしいものは、世界のどこであれ誰であれ感動を与えてくれる」という考えの下、日本の優れたヒト、モノ、コト、コンテンツ、サービスを英語・日本語のバイリンガルで発信しています。


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