最高の結果を出すKPI実践ノートビジネス著者が語る、リーダーの仕事術(2/2 ページ)

» 2020年12月03日 07時07分 公開
[中尾隆一郎ITmedia]
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DAY3:CSFの見つけ方とその事例

 シナリオを作った後に、どのステップが事業成長のカギ(CSF:Critical Success Factor)なのかを特定するステップです。ここがKPIマネジメントの肝の部分です。その基礎となる考え方が「制約条件理論:TOC Theory of Constraints」です。

 制約条件理論という言葉は知らなくても、エリヤフ・ゴールドラット教授の著書「ザ・ゴール」シリーズを読んでいるかもしれません。「制約条件理論」はさまざまな場面で役立つ考え方です。もちろんKPIマネジメントもそうです。プロジェクトマネジメントでもそうです。予算管理や時間管理でも役立つ応用範囲の広い理論です。この概念と活用の仕方を学びます。そして、その結果、CSFを特定することができるのです。

DAY4:ケーススタディーから学ぶKPI事例集

 事例を6つ用意しました。DAY3で確認したCSFからKPIの目標数値を設定する参考にできると思います。

(1)成約課金型ビジネス

(2)グループの戦略IT子会社

(3)サブスクリプション・モデルのビジネス。

(4)大手物流業

(5)自動車販売業

(6)大手建設業

など、さまざまな企業規模、業種から参考になりそうな事例を選びました。実は同業の事例よりも異業種の事例にヒントが隠されている事が少なくありません。前著「KPIマネジメント」にも11の事例が載っています。合わせて参考にしてみてください。

DAY5:KPIマネジメントの体制と進め方

 DAY4まででMC4が確定しました。ここでは実践するためのノウハウをまとめておきました。ポイントは5点です。「管理会計としてのKPIマネジメント」「共通理解と用語の統一」「4MC確認ワークショップで現状把握」「Goalと現状とのギャップで進め方を決定」「進捗管理をグループコーチングで実施」です。導入する企業の状況に合わせての処方箋のような位置付けになります。最近は、最後の「進捗管理をグループコーチングで実施」するニーズが高まっています。

 KPIマネジメントを実践する中で、大小さまざまな問題が出てきます。それをグループコーチングという手法で解決するのです。これは、研修というOff-JTと現場での経験学習であるOJTを組み合わせた方法です。これを導入することで、習得したKPIマネジメントを日々進化させることができるのです。

 この手法を「自分で考えて動く社員が育つOJTマネジメント」と名付けて、11月に出版しましたので、興味がある方が合わせて手に取ってみてください。

 ※本を購入した特典としてこのOJTマネジメントを紹介したZoomの動画も視聴できますので、合わせて利用してください。

 最後に「よくある質問」への回答も付けています。これはKPIマネジメントの講座をする中でのよく出てくる質問への回答です。実際にKPIマネジメントを実践する際の参考になると思います。「KPIを変えてよいのか?」「スタッフ部門なのでKPIは関係ないと思いますが?」「CSFを1つに絞れない場合、どうしたらいいか?」「KPIとOKR はどこが違うのか?」などです。

 とても読みやすい本だと思います。良かったら、ぜひ手に取ってください。

著者プロフィール:中尾隆一郎

株式会社中尾マネジメント研究所(NMI)代表取締役社長兼 株式会社旅工房(6548)取締役 株式会社LIFULL(2120)取締役 LiNKX株式会社 監査役

リクルートに29年間勤務。リクルートテクノロジーズ代表取締役社長、リクルート住まいカンパニー執行役員、リクルートワークス研究所副所長を歴任。

2019年3月株式会社中尾マネジメント研究所を設立。世の中に役立つサービスを提供×大きな成長を志向×中尾が関与することでその実現度合いが高まるテーマ(主に経営マネジメント強化)×経営者と直接仕事をする案件に絞ってビジネスをスタート。

専門は事業執行、マネジメント全般、事業開発、マーケティング、人材採用、組織創り、KPIマネジメント、管理会計など。良い組織づくりの勉強会(TTPS勉強会)主催。

著書 『最高の結果を出すKPIマネジメント』(フォレスト出版)10刷。『「数字で考える」は武器になる』(かんき出版)6刷、『自分で考えて動く社員が育つOJTマネジメント』(フォレスト出版)、『最高の結果を出すKPI実践ノート』(フォレスト出版)』『最高の成果を生み出すビジネススキル・プリンシプル』(フォレスト出版)など。ビジネスインサイダージャパンで毎月「自律思考を鍛える」をテーマに執筆中。

1964年5月15日生まれ。大阪府出身。

1987年大阪大学工学部卒業。89年同大学大学院修士課程修了。


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