それより「まだこういった放っておけない人がお客さまにいるじゃないか」「この人のビフォアをアフターにしたいんだよ」「私はこういう人たちに、こうしてあげたい」というリーダーであるべきだと。
つまりは、「人間性」があるか、感じられるかなんですね。
社内のメンバー・組織に向いて「頑張ろう!」とやっていたリーダーは、基本的に「鬼軍曹」タイプだったと伊庭さん。昭和や平成の多くのマネジャーやリーダーはこれだったかもしれません。
伊庭さんが参加した、日経新聞社が年に1回開催する「世界経営者会議」で、KPMGジャパン代表が話したことが、ものすごくセンセーショナルに感じられたそうです。
採用力のある企業を分析したところ、「若者が求めている要素を解析すると『どれだけ世の中に貢献できるか』という軸が急上昇している」いうデータがそこで発表されていたのです。
10年くらい前までは、「自分の成長のため」とか「企業の成長力」といったテーマがメインで、「世の中に貢献するため」という軸はありませんでした。
しかし世の中はいま、若手を中心に「社会にどれだけ貢献しようとしているか」という軸を中心に見るようになっています。ですから、トップダウンの時にも軍曹的なものだけでは人はついてこないとあらためて感じているんですと伊庭さん。私自身も全く同感です。
リクルートの社訓、「自ら機会を作り出し、機会によって自らを変えよ」は、非常に有名です。私は今でもすごく好きで、自分自身の大事な指針になっていますが、これはまさに「自分軸」です。「社会軸」ではありません。
すごく重要なことであることは揺るぎないですが、やはりこれだけではダメなのです。リクルートもいまは、「follow your heart」になっている。やはり、自分軸だけではなくて、「世の中のためにもっと貢献しましょう」に変えています。
要するに、「自分軸」と「社会軸」、両方セットがいいのです。さて、皆さんの会社は、いかがですか?
株式会社経営者JP 代表取締役社長・CEOに
早稲田大学政治経済学部卒業後、リクルート入社。人材コンサルティング会社に転職、取締役就任。その後、現リクルートエグゼクティブエージェントのマネージングディレクターを経て、2010年に経営者JPを設立。2万名超の経営人材と対面してきた経験から、経営人材の採用・転職支援などを提供している。2021年、経営人材度を客観指標で明らかにするオリジナルのアセスメント「経営者力診断」をリリース。また、著書には、『社長になる人の条件』『ずるいマネジメント』他。「日本経済新聞」「朝日新聞」「読売新聞」「産経新聞」「日経産業新聞」「週刊東洋経済」「週刊現代」「プレジデント」フジテレビ「ホンマでっか?!TV」「WBS」その他メディア出演多数。
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早稲田大学商学学術院教授
早稲田大学大学院国際情報通信研究科教授
株式会社CEAFOM 代表取締役社長
株式会社プロシード 代表取締役
明治学院大学 経済学部准教授