ニュース
» 2011年02月01日 08時34分 公開

3K、7K、24K「IT人材不評」の犯人はだれ?〜その1生き残れない経営(3/3 ページ)

[増岡直二郎(nao IT研究所),ITmedia]
前のページへ 1|2|3       

 一方、IT人材の側の問題はどうか。

 「あなた自身について」のアンケート調査(「人材白書」)によると、上述のごとくIT人材本人たちが将来のキャリアに不安を持っている割には、自分たちに甘く、客観情勢の把握に疎い。

 「将来のキャリア目標を持っている」に対し、「当てはまる」が39.9%、「当てはまらない」が60.1%、「自分のキャリア目標は実現できると思う」に対し、「当てはまる」が37.5%、「当てはまらない」が62.5%であり、自分たち自身に随分甘い。

 客観情勢に対する認識も甘い。「この産業で働く人材の仕事の内容は大きく変わる」が47.0%、「基本的には現在の延長」が53.0%、「企業で求める人材が大きく変わる」が46.2%、「基本的には現在の延長」が53.8%と、客観情勢の変化やIT人材の変革に疎いようだ。

 客観情勢の認識に疎く、自分自身に甘い姿勢は、冒頭の「オタク」やり取りと無関係ではあるまい。敢えて言うなら、企業内のIT人材の実態として、どうしてもウチに籠りがちのIT人材は、昔のままのあり方を引きずってはいないか。

 過去、IT技術革新は「ホストコンピュータ」から「クライアント&サービス」へ、そして「WEBコンピューティング」への2ステップを経験し、現在「クラウドコンピューティング時代」を思わせる動きにある。IT人材のあり方も、当然変化しなければならない。

 しかし、「形」は依然として別空間に位置していたことを引きずり、「意識」は「教えて!goo」のように特別意識を持ち続け、「業務」は技術変化に無関係に、相変わらずシステム開発志向ではないのか。その結果、ITを取り巻く情勢の変化・技術進歩などに関心が薄く、ライン業務との意思疎通が不充分、業務知識に不足し、改革意識に欠けるのではないのか。

 以上から考えて、「IT人材」を問うとき、経営者とIT人材本人たちの考え方・あり方を避けて通ることはできない。次回(その2)では、経営者とIT人材のあり方を考えたい。

著者プロフィール

増岡直二郎(ますおか なおじろう)

日立製作所、八木アンテナ、八木システムエンジニアリングを経て現在、「nao IT研究所」代表。その間経営、事業企画、製造、情報システム、営業統括、保守などの部門を経験し、IT導入にも直接かかわってきた。執筆・講演・大学非常勤講師・企業指導などで活躍中。著書に「IT導入は企業を危うくする」(洋泉社)、「迫りくる受難時代を勝ち抜くSEの条件」(洋泉社)。



前のページへ 1|2|3       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

ITmedia エグゼクティブのご案内

「ITmedia エグゼクティブは、上場企業および上場相当企業の課長職以上を対象とした無料の会員制サービスを中心に、経営者やリーダー層向けにさまざまな情報を発信しています。
入会いただくとメールマガジンの購読、経営に役立つ旬なテーマで開催しているセミナー、勉強会にも参加いただけます。
ぜひこの機会にお申し込みください。
入会希望の方は必要事項を記入の上申請ください。審査の上登録させていただきます。
【入会条件】上場企業および上場相当企業の課長職以上

アドバイザリーボード

早稲田大学商学学術院教授

根来龍之

早稲田大学大学院国際情報通信研究科教授

小尾敏夫

株式会社CEAFOM 代表取締役社長

郡山史郎

株式会社プロシード 代表取締役

西野弘

明治学院大学 経済学部准教授

森田正隆