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» 2015年01月26日 08時00分 公開

ITmedia エグゼクティブ勉強会リポート:業績向上の秘訣とは――ナレッジファシリテーションで暗黙知を見える化する (2/2)

[山下竜大,ITmedia]
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人材育成のナレッジブックを作成

 人材育成においては、上司がきちんとモニタリングをして、新入社員を早期に一人前にすることが必要である。「オレの若いころは……」といまの新入社員に話しても理解されない。時代にあった、現代のベストプラクティスをステップごとに教えることが必要であり、スキルはOJT(On the Job Training)で教える。

 「後はマインドである。ナレッジを持っている人は人間力が高い」と細川氏は言う。人材育成の目標は、優秀な社員を育成することであり、優秀なリーダーを育成することだ。業務改善のための目標設定ができる人であり、目標を達成するためには、誰のナレッジが必要なのかが重要になる。

 人材育成には、目標、設計、開発、運用、成果、評価、対策という一連のPDCAサイクルを回し、ナレッジブックを作成する。このナレッジブックを徹底的に活用し、その成果を評価する。ナレッジブックは、状況の変化に応じて何度も改訂することが必要である。

 「これまでは、目標設定でつまずいていた。本来であれば、経営者が全員集まって、自社の管理職はこうあるべきという方向性を明確にし、それに基づいてどのような管理職を育成するかを設計する。設計に基づき、現在の管理職や管理職候補を集めてナレッジブックを作成する。これにより、迅速な人材育成を実現できる」(細川氏)

喜びと満足は違うもの

 人材育成においては、その会社の信念や理念などの価値前提が明確であることが必要である。ただモノを売ればいいというわけではない。うちの会社は、こういう価値を提供できるということを明確にする。

 「お客様に喜んでもらうことが重要。喜びと満足は違うものである。お腹が空いたので1人でファーストフード店に入る。満足はできる。一方、仲間とレストランに行き、楽しい会話とともに食事をする。これは喜びである」(細川氏)

 またブランドとは、安心感である。会社の理念にあった、ふさわしい人材を育成することがベストプラクティスになり、ナレッジブックができる。このナレッジブックを、ほかの人が使って定着化するとブランドができあがるのである。

 富士山の1合目から山頂まで登るのは非常に時間がかかるが、5合目までバスで行ければ、短い時間で山頂まで登ることができる。人材育成のアプローチも同じである。ナレッジブックがなければ、バラバラの経験値で見切り発車することになる。これでは、組織の生産性向上は望めない。

社員育成の新アプローチ(富士山登頂5合目作戦)

 細川氏は、「ナレッジやスキルは継続、定着させなければ意味はない。定着させ、定期的にチェックすることで、ナレッジブックが機能するようになり、新人でも、ベテランでも短期間で成果を上げることができる」と締めくくった。

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