オンとオフの関係は、両方足してプラマイゼロという発想を捨てるのです。
情動対処の対象方法で、ストレス発散のためのオフを止めて、問題解決の対象方法を使って、ストレスと対峙できる自分づくりのためにオフをどう過ごすかを考えるのです。
例えば、ゴルフをするにしても、ただクラブを振り回してスッキリできればいいというのではなく、ストレス発散になればスコアなんてどうでもいいというのもなく、スコアを伸ばすという明確な目標設定をして、主体的に自分にストレスをかけることで緊張感を持ってプレーをするのです。
オフは単なる遊びではなく、オンで成果を出すために自分自身を鍛えるトレーニングの場だと考えるのです。仕事のストレスは、発散して忘れるようにするのも、悪くはありませんが、本当に「デキる人」は、そのもう一歩先を考えているのも事実です。
「真剣にやれよ! 仕事じゃねぇんだぞ!」
これは、休日にゴルフをしていたタモリさんが、一緒にプレーしていた人に向かって言った名言です。またタモリさんには、「仕事に遅刻してくるやつは許せるが、遊びに遅れてくるやつは許せない」という名言もあります。
これはどういうことでしょうか?
私の趣味の1つはマラソンで、これまでフルマラソンばかりか100キロメートルにもチャレンジして、何度も完走をしています。この話をすると、「こだわりが強い」とか「ストイックだ」などと必ず言われます。しかし、私からするとなぜそんなことを言われるのか、実はよく分からないのです。
自分ではこだわりが強くもなければ、ストイックでもないと思います。「楽しいから本気でやっている」だけで、当たり前のことなのです。適当にオフを過ごすのはもったいない。やるならとことん真剣に、オフこそ思い切り全力で取り組むべきです。それに、オン=仕事よりもオフ=遊びのほうが絶対に楽しいに決まっています。楽しい遊び=オフを本気になれない人が、楽しくない仕事=オンで本気になれるはずがないのです。
オフこそ本気になる成果を出すビジネスパーソンは、オフをとても大切にしています。
仕事ができる人のなかには、長期のスケジュールを組むときに休日の予定を最初に考えるという人が少なくありません。つまり、まずオフの確保を考えて、次にオンの優先順位を組み立てる。そうすることで、オンの集中力を高く保つのです。オフが本気だとオンも本気になる。充実したオフのために、オンのモチベーションを主体的にアップするそんな好循環が高い成果につながるのです。
そんなことを言われても仕事は忙しいし、貴重な休日くらいゆっくりしたいという気持ちも分かります。私もそうでしたから。そこで最後に休日をムダにしない最大のコツをお伝えします。
それは「早起きすること」です。「明日はいよいよ休みだ」となると、つい夜更かししてしまう。そうすると翌朝は、「せっかくの休みなんだから、ゆっくり寝よう」ということになるでしょう。そして、気が付けば昼近くになっている。ゴロゴロとしているうちに夕方になり、1日が終わっていく。こんな経験は誰でもあると思います。
これではもったいない。そこで「逆」を考えてほしいのです。休みだから、朝は平日よりも早く起きて、1日を目一杯活用するという考え方です。休みの前日は、できる限り早くに仕事を切り上げ、早く家に帰り、早く寝る。早起きするには、早寝するのがいちばん効果的な方法です。そうすれば休みは早朝から予定を組み、オンで成果を出すために使えるでしょう。休日は前の晩から始まっているのです。ぜひ、今度の休日は早起きの効果をお試しください。
株式会社パジャ・ポス代表取締役 NPO法人AreYouHappy?JAPAN代表理事 組織学習経営コンサルタント
1965年神戸市生まれ。リース会社、生命保険会社勤務などを経て、ドクターシーラボ、ネットプライスの社長を歴任。両社の上場や成長に多大な貢献をし「成長請負人」と呼ばれる。現在は組織学習経営コンサルタントとして、大企業から創業間もないベンチャー企業に至るまで、継続的に成長する企業経営のアドバイスを行っている。
著書に『年商3億円を120億円にする仕事術』(大和書房)、『プロフェッショナル・リーダーの人を見極め、動かし、育てる法則』(ダイヤモンド社)などがある。
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早稲田大学商学学術院教授
早稲田大学大学院国際情報通信研究科教授
株式会社CEAFOM 代表取締役社長
株式会社プロシード 代表取締役
明治学院大学 経済学部准教授