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» 2010年07月13日 14時00分 公開

大相撲中継の中止から、お客様の「ご意見」とネットの限界、超克への期待を思う戦略コンサルタントの視点(3/3 ページ)

[大野 隆司(ローランド・ベルガー),ITmedia]
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企業はインターネットとの新たな向き合い方を

 結論を言えば、匿名の大衆からのインターネットからの情報を、企業は恐れる必要もありませんし、過剰に利用を考える必要も無いということです。

 日本語によるブログ発信量(投稿量)は、世界第1位という調査もあります("A Corporate Guide to the Global Blogsphere" Daien J. Edelman Inc.より)。日本人は「発信好き」であると言えそうです。

 大量に発信された情報は、必然的に玉石混交になっていきます。情報を受信する側でも、このことは折り込み済みになってきているでしょう。インターネットの情報を無条件では信じなくなってきているということです。インターネット上の新たな独特のリテラシー(読み書きの能力)が形成されているとも言えます。

 「質の悪い情報」は礼儀正しく無視し、「使えるもの」のみ適度に利用していくことが、企業のインターネットに臨む正しいスタイルと言えます。

 この新しいリテラシーは、インターネットを活用したマーケティング手法にも疑問を投げかけることになります。

 バズマーケティング(口コミマーケティング)の手法の1つとして、「読者が多いブログの書き手を、製品紹介などのパーティなどに招待し、彼女ら・彼らのブログの記事に取り上げてもらうことで、口コミの宣伝効果を狙う」という手法があります。

 この場合、ほとんどの読者はブログの書き手に対して企業側の仕込みがあることを認識しています。よって、ブログから発信された情報を信じて、購買・利用などの行動に移る可能性は実はかなり低いとも考えられます。

 Web2.0という言葉が世にでてから5年余が過ぎました。企業に寄せられる顧客の声への対応方法はもとより、インターネットを用いたマーケティング手法、さらにはインターネット広告の利用の仕方まで、企業としては冷静に検証をする時期にきているのかもしれません。

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著者プロフィール:大野 隆司(おおの りゅうじ) 株式会社ローランド・ベルガー パートナー

大野 隆司

早稲田大学政治経済学部卒業後、米国系戦略コンサルティングファーム、米国系総合コンサルティング・ファーム、米国系ITコンサルティング・ファームを経て現職。電機、建設機械、化学、総合商社、銀行など幅広い業界の大手企業において、事業戦略、オペレーション戦略、IT戦略の策定などを手掛ける。


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