速く成長するために次の集中的活動を実行して下さい。
・集中的雇用
効率的な人員募集と面接を行い、優秀な従業員、つまり、会社のビジョンを共有してくれる人を見つけ、採用して下さい。候補者に「予想図」を読んでもらいましょう。1-800-Got-Junk社は募集1件につき、平均して250件の履歴書を受け取り、16人と面接を行っていました。1次面接では全ての候補者を一度に集めて下さい。そして、「一番好きな映画は? その理由は? 」や、「自分が指揮したプロジェクトで最も複雑だったものは? その理由は? 」そして「この中で一番優秀な候補者は誰だと思う? その理由は? 」などといった質問をして下さい。
このようなグループ面接は、どの候補者がリーダーで、会社にどのくらい調和できるか判断する上で役に立ちます。次に1対1の面接を2時間行い、候補者のスキルを評価して下さい。そして、最終候補者と2次面接を行って下さい。その際同僚に同席を依頼し、いくつか質問してもらいましょう。目標志向や統率力、心の知能指数、そして対人能力が高い候補者を探して下さい。
・集中的コミュニケーション
優秀な従業員の力を最大限引き出すには、企業の目標と活動、彼らの責務、そして彼らに期待することについて、彼らと明確にコミュニケーションが取れなければなりません。質の高いコミュニケーションは、アクティブリスニング(積極的傾聴)から始まります。
対立を避けてはいけません。何でもはっきりと言いましょう。私情を挟まずに争いのポイントを正直に話し合うことが大切です。言い争いを鎮め、なおかつ気になる問題点を話題に出すには、「わたしは……と思うのですが」や「あなたはどう思いますか? 」といった表現を使いましょう。そして、常にフィードバックを提供することが大切です。
・集中的会議
会議はすべて、有意義なものにして下さい。何がしたいのかはっきりしない会議を開くことで、従業員の時間を無駄にしてはいけません。明確な議題を用意して下さい。時間通りに始め、予定より早く終えて下さい。全員に参加してもらうことが重要です。
次のような有意義な会議を開いて下さい。4半期ごとあるいは年次の取締役会、会社がどのように目標を達成するか話し合う「諮問委員会会議」、各ユニットの進捗を報告する「ビジネスエリア・レビュー会議」、リーダーが企業の状況を判断する重要なメトリックスを使って従業員全員と話し合う短時間の日課の「打ちあわせ」。この種の打ち合わせはくだらない内容で終わっても構いませんが、グループに明るさと活力を与えるものでなければなりません。
・集中的マーケティング
無駄なマーケティングを避けるには、製品やサービスに適した見込み客をターゲットにして下さい。広告スペースやCMの放送時間を交換(バーター)することで、宣伝費を節約して下さい。もしこれが現実的でないのなら、一番良い値段を交渉して下さい。低コストで会社のメッセージを広めるには、自分や従業員が着る制服に会社のロゴや名前をプリントし、いつどこへ行くにも見せるようにしましょう。
また「パーケティング」という試す価値のあるテクニックがあります。これは、会社の名前の付いた自動車を混雑した場所に停め、道行くたくさんの人に会社の宣伝メッセージを見てもらう手法です。さらに、毎日チェックする特定のタスクを従業員に与えることで、彼らに熱心にマーケティングに参加してもらいましょう。1-800-GOD-JUNK社が立ちあがったばかりのころ、経営者は宣伝担当者にある特定の仕事を割り振りました(例えば、駐車している自動車に広告を配るなど)。従業員はそれぞれ一日の終わりに、自分がやり遂げた業務に関する報告を行いました(例えば、「自動車に500枚の広告を配った」など)。上司はそれぞれの報告書のフィードバックを、次の日の仕事の説明と一緒に渡していました。
・集中的広報
製品やサービスの宣伝活動の成功は、メディアにストーリーを伝えることにかかっています。PR専門家を雇うのは止めましょう。その代わりに、知らない人に売り込むことを厭わず、拒絶されても対応できる営業担当者を探して下さい。また、編集者にストーリーを提案してはいけません。彼らはストーリーを拒絶するビジネスをしているからです。
最も良いターゲットは、常に新しいストーリーのアイディアを考えなければならないレポーターやライターです。ストーリーの内容としては、「セールス手法や戦略」、「起業家としての個人的な経験談」、「特定の従業員についてのストーリー」などが考えられます。スクリプトを使って電話でストーリーを伝え、フォローアップに電子メールを送りましょう。
・集中的生産性
販売促進活動とマーケティング活動の結果をモニターし、測定して下さい。情報に基づいた判断を下すには、信頼性のあるデータが必要です。そこで、メトリックスや「主要業績評価指標(KPI)」が役に立ちます。各ビジネスユニットから担当者を選び、最も重要なメトリックスを追跡させ、企業が特定のKPIを達成していることを確認させましょう。
担当者はこの仕事に真面目に取り組むべきです。KPIを追跡する際は、データのポイントごとに色分けして下さい。例えば、目標を達成できなければ赤色、平均的な結果であれば黄色、目標を達成したら緑色で色付けして下さい。そして、少なくとも週に1度はKPIをレビューし、従業員には隔週でプロジェクトの進捗状況を報告させて下さい。
ここでは加速して成功に近づくためのノウハウについて書かれています。一つ一つを見ていけば、成功についてはごく当たり前の事が書かれているに過ぎないと思いますが、過去のさまざまな事例から考えても、これらすべてを確実に行っている企業は少ないように思えます。
ビジネスとは掛け算ですから、どれか1つでもおろそかになれば、すべてがゼロになってしまいます。もう一度、ここに書かれていることを見なおして、現状の御社のシステムと照らし合わせてみるのはいかがでしょうか?
著者紹介
キャメロン・ヘロルドは、1-800-GOT-JUNK社の元COOであり、コンサルティング会社であるBack PocketCOO.comの創設者です。企業およびCEOにコーチングを提供しています。
経営コンサルタント(ビジネスモデルコンサルタント・セールスコピーライター)。経営コンサルタントとして、上場企業から個人プロフェッショナルまで、420社以上(1400案件以上)の企業経営を支援。特に集客モデルの構築とビジネスモデルプロデュースを得意とする。またセールスコピーライターという肩書も持ち、そのライティングスキルを生かしたマーケティング施策は、多くの企業を「高収益企業」へと変貌させてきた。
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早稲田大学商学学術院教授
早稲田大学大学院国際情報通信研究科教授
株式会社CEAFOM 代表取締役社長
株式会社プロシード 代表取締役
明治学院大学 経済学部准教授