縦割り・タコつぼ打破のための9か条視点(2/2 ページ)

» 2021年04月26日 07時00分 公開
Roland Berger
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 (9)三井物産は、2017年より、横断的にデジタルトランスフォーメーションを任務とするチームを経営企画部に設置。チームは、世の中にあるさまざまな情報・データをAIなどのDigital Powerで解析し、事業に生かしていくミッションを持っている 全社の事業・アセットを最大限活用していくには、DXとのかけ合わせは不可欠であり、先端技術に常にアクセスできる仕組みづくりが重要である。

縦割り、タコつぼ打破のメリット

 縦割り・タコつぼを打破することで組織力は飛躍的に向上し、大きなメリットをもたらす。

利益貢献・非線形成長の観点

  • 社内アセットが最大限に活用され、横串でのシナジーが最大化される
  • 生産性が向上する
  • イノベーションの実現につながる

組織基盤の強化の観点

  • 事業運営・意思決定スピードがアップする
  • 組織をまたいだ人材発掘とその最大活用により、離職防止や有能な人材のブーストにつながる

まずは、自社を診断してみる

 自社は果たして、どこまで縦割り・タコつぼが発生しているのか? ご興味を持っていただいた方には、ローランド・ベルガーの組織診断をお勧めする。

 例えば、部署間の人事異動はどの位行われているか、部門横断のプロジェクトの組成度合い、現場発信の新規事業やアイディアの創出度合いなど、さまざまな指標を用いて組織の現状を診断。縦割りの進み度合いや組織としての課題を認識した上で、各企業に沿った組織改革プロジェクトを実行している。

 実現すべき経営指標、戦略が明確でも組織がボトルネックとなり進まないことは驚くほど多い。まずは健全な組織を作り、加速度的に目標を推進していくことが重要である。縦割り・タコつぼ課題をチャンスと捉え、一気に組織改革を進めることを推奨する。

著者プロフィール

中野 大亮(Daisuke Nakano)

ローランド・ベルガー パートナー

東京大学法学部卒業。米系戦略コンサルティングファームを経て現職。産業材、鉄道・航空、総合商社等、幅広いクライアントに対し、事業戦略、新規事業や成長戦略、M&A/PMI等のプロジェクト経験を豊富に有する。


著者プロフィール

三輪 政樹(Masaki Miwa)

ローランド・ベルガー プリンシパル

名古屋工業大学工学研究科修士課程修了。戦略コンサルティングファーム等を経てローランド・ベルガーに参画。 化学、電子部品、重工、精密機械、ヘルスケア等を中心に、ビジョン策定、事業戦略、新規事業戦略、全社変革などの経験を有する。


著者プロフィール

石毛 陽子(Yoko Ishige)

ローランド・ベルガー シニアプロジェクトマネージャー

東京大学文学部卒業後、日系投資銀行を経てローランド・ベルガーに参画し、東京及びシンガポールにて日本企業のアジア展開を支援。人材系ITベンチャーの役員を経て再参画。DX、全社戦略、組織改革やM&A等、幅広いプロジェクトを手掛ける。


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